特に見直すべきは、今後不要になるものが多い「家の中」向けの支出だ。 画像を見る

「9月、国税庁が発表した昨年のサラリーマンの年間の平均給与は約433万円と2年連続の減少で前年比3万円減です。今後も賃金は長期的に下がることが予想されます」

 

こう語るのは、国の財政事情に詳しい経済評論家の加谷珪一さん。

 

「40歳以上の夫婦世帯なら、年収433万円は額面月収36万円ほど。社会保険料や所得税、地方税などを差し引いていくと、手取りは28万6,937円となります」

 

10月から、緊急事態宣言が明けたが、外食や旅行が再開することによって支出が増加する見通しだ。

 

総務省の家計調査報告では、前回の「緊急事態宣言明け」に当たる今年4月の消費支出は30万1,043円だった。

 

「つまり10月以降、手取り月収から月の支出を引いた差額は1万4,106円。これは、年に換算すると16万9,272円の赤字となります」

 

この年間17万円の赤字が今後、現実のものとなりそうだ。ファイナンシャルプランナーの中村薫さんも、こう指摘する。

 

「これからはコロナ禍の1年半で癖になった“おウチ時間を充実”させるための“巣ごもり支出”に加え、外出に伴う支出が重なって発生することになります。何も考えずに使うと、赤字生活になりかねないんです」

 

長く続いた緊急事態宣言が終わり、生活スタイルが変わってくるなかで、自分がどこにお金をかける必要があり、どこにかけなくていいかを可視化することが肝心だという。

 

「移行期の10〜11月には、支出をメモして“本当に必要か”を振り返りましょう。削るべき支出を早めに洗い出すことで、今後ムダ出費が積み重なっていくことを阻止できます」(中村さん)

 

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