「少し前に数えたら、わが家で使用中のつっぱり棒は、全部で70本……あ、昨年末、小型加湿器の置き場を作るために、天井と床の間に縦につっぱるタイプのものを導入してたので、正確には71本でした」
こう言って笑うのは、’75年に日本で初めてつっぱり棒を商品化した大阪の日用品メーカー・平安伸銅工業の3代目社長・竹内香予子さん。彼女は自らを“つっぱり棒博士”と称し日々、さまざまなメディアで自社製品はもちろん、他社のものも紹介しながら、つっぱり棒の魅力を精力的に伝えている。
「皆さんのなかには、つっぱり棒って『オシャレじゃないし、あくまでも実用アイテム』というイメージがあるかもしれません。でも、それはもう、昔の話なんですよ」
つっぱり棒登場から間もなく半世紀。いまや、インテリアとしても十分アリな製品が販売されていたり、「そんな使い方もできるの!?」という斬新テクがいくつも生まれている。そこで、今回は「つっぱり棒ハウス」とも呼ばれる竹内さん宅の主な使用例5つをもとに、つっぱり棒の新たな使い方を、竹内さんに伝授してもらった。
■色や素材感など、お部屋に合わせて選んで
【玄関】
「つっぱり棒ハウス」こと、竹内さん宅の玄関近くのデッドスペースになりがちなコーナーに、縦につっぱり棒を設置。複数のフックやテーブルを組み合わせることで、帽子やカバン、コートなどを“見せる収納”に。
【リビング】
ホームセンターで買える規格品の角材に、つっぱり棒構造を利用したDIYパーツ(平安伸銅工業の「LABRICO・ラブリコ」の強力タイプと、専用のテレビハンガーを使用)で、テレビも簡単に壁掛けに(※天井へのネジ留めは必要)。
【子ども部屋】
子ども用の棚は無印良品の『スタッキングシェルフ』をつっぱり棒でアレンジ。ハンガーラックにしたり、高低差をつけた2本のつっぱり棒にカゴを置いて中が見える収納にしたり。
【洗面所】
竹内さんは棚の下のわずかなくぼみにつっぱり棒を設置し、底にマグネットを貼り付けたプラ製コップをつり下げ収納。こうすることで、手狭でごちゃつきがちな洗面台もスッキリ。