「年齢を重ねていくと、だんだん足腰が弱ってくるので、リタイア後を見越して、“減築リフォーム”をすることにしたんです。ほとんど使っていなかった2階部分(3部屋)を撤去。平屋にして5つの天窓をつけ、1階部分に光が入るようにしました。そして、玄関にはスロープ、廊下には手すり、廊下も広げて段差をなくし、トイレにも車いすが入るスペースをとって、完全バリアフリーの家にしました」
こう語るのは、佐賀県内で会社を経営する西嶋文隆さん(68)。
’18年、妻(53)の実家で、義母(88)と同居することになったのを機に、義母が長年住んでいた築60年以上の2階建て住宅を平屋に“減築”したという。
■「老後は平屋が住みやすい」
西嶋さんは、減築前と後の生活の変化についてこう話す。
「格段に住みやすくなりました。台風や強い風のときは2階部分の風当たりが強くて、家がよく揺れていましたが、平屋にしてからは静かです。古い家でしたので、断熱効果もよくなくて、冬は寒いし、地震にも弱かった。減築後は、冬でも部屋は明るく暖かいし、耐震強化もできました。年を取ると、やっぱ平屋がよかですよ(笑)」
一軒家の場合、老後も住み続けるなら、いずれ行う必要のあるリフォーム。できれば、体が衰える前に考えたほうがいいという。
「工事を計画したり、打ち合わせするのには体力がいりました。バリアフリーが必要になってからではなく、元気なうちにやっておいてよかったと思います。老後への不安も、軽減できましたから」(西嶋さん)
■減築リフォームのメリット
【掃除や移動の負担が減る】
【固定資産税が安くなる】
【耐震性が高まる(2階を減築した場合)】
【冷暖房の効率が上がり、光熱費を削減できる】
【外壁や屋根の塗装などのメンテナンス費用が安くなる】
【防犯性が高まる】
老後に備えて、あなたもリフォームを考えるとき、減築リフォームという選択肢があるのを忘れないで!