「体に人工物を入れるのは怖い」と抵抗を感じる人も少なくない、人工関節。しかし、痛みが取れて自由に歩けるようになるため、「人工関節にしてよかった」と喜ぶ人がとても多い手術でもあるという。
歌手でタレントの研ナオコさん(68)も、手術を受けた一人。’17年、舞台の公演中に転倒し、右ふとももの付け根を骨折したのが原因だ。
「救急車で運ばれ、『右大腿骨頸部骨折』と診断されました。直近の仕事はキャンセルしなくてはなりませんでした。けれど、決まっているコンサートなどもあったため、最短で治療ができる、人工関節手術を受けることを決意したんです」(研さん・以下同)
そこから手術までは、寝たきりの状況だったという。
「痛み止めの薬で抑えていましたがちょっとした振動でも痛み、手術までは痛みと闘う日々でした」
事故から1週間後になって、人工関節手術の一種である「人工骨頭置換術」を受けることができた研さん。手術自体は、2時間かからずに終わったそう。
「術後は、それまでのひどい痛みがなくなって、すごく気持ちが楽になり、担当の先生に感謝したことを覚えています」
リハビリは術後3~4日目からスタートした。
「すぐに歩行器の補助を付けて歩く練習を始めました。すでに決まっている仕事があったので、それを目標に、毎日リハビリに取り組みました」
仕事に戻ることを目標に、リハビリに励んだ研さん。当初は全治3カ月といわれていたが、1カ月でのスピード復帰を果たすことに。
「歩行器から杖になったとき、そして自分自身で歩いたときは本当にうれしかったです」
人工関節手術から5年、今ではハイヒールも履いているという。
「人工関節も自分の大切な体の一部になっていて、ほとんど不自由なく生活しています」
人工関節を考えている人に、伝えたいことを聞いてみるとーー。
「手術を受けて、同じような境遇の方がたくさんいることに気づきました。知人でも人工関節の手術を受けて、元気に生活している方が何人もいます。生活が変わるので、迷われている方は、手術にチャレンジしてみるのもいいと思いますよ。何か目標を見つければ、リハビリも頑張れます!」