私たちが日々通うスーパーマーケット。多くの陳列棚にさまざまな商品が並ぶが、実は売り場のいたるところに、私たちが買いたくなるようなさまざまな“仕掛け”が施されている。消費者心理をくすぐる仕掛けにより、つい不要なものにまで手を伸ばして、ムダ遣いにつながってしまうことも。某スーパーの野菜売り場で十数年働いたキャリアを持つ「青髪のテツ」さんは、そんな“客側にとってのお得な買い物情報”をツイッターで発信している。現在52万人のフォロワーを持つ青髪のテツさんに、“お得なスーパーマーケットの歩き方”の極意を聞いた。
(1)買い物は一人で行く
「買い物に行くときは“おひとり様”でお出掛けください。家族でいくと、各々好きなものをカゴに入れてしまい、結果的に出費がかさみます。もちろん、家族一緒の買い物は楽しいものですが、節約の観点からすると、なるべく一人で買い物に行くのがベストです。
スーパーは全体的にお客さんがつい買いたくなるような工夫をして陳列をしています。たとえば、子供用のお菓子でおもちゃのおまけがついている玩具菓子は棚の下の方に配置されています。これは小さな子供さんの目につきやすいから。
夫婦で買い物に行くと、ビールやお酒といったアルコールの大量買いをすることになったり、『じゃあ、おつまみのスナックも買おうか』と、2人の好みのものを買うなどして、結果的に必要以上の出費がかさむことになります」
(2)空腹時にはスーパーに行かない
「理由は明確です。おなかが減っていると、ふだん以上に買い物をしてしまうからです。ある研究では、空腹時に買い物をすると、買い物の合計金額が6割ほど増えるという調査結果も出ているほど。おなかが空いていると、ついあれもこれも食べたくなって必要以上に買い込んでしまうことになり、節約どころかムダな買い物が増えてしまう結果に」
(3)カートを使わず、かごを手持ちで
「買い物カートは便利ですが、そこには落とし穴も。重さを感じないので、どんどん買い物かごに商品を入れてしまうということです。買い物カートを使っているお客さまと使っていないお客様では、購入金額に数十パーセントの差が出るというデータが出ています。重たくてもかごを手に下げて買い物をすること、また事前に何を買うかメモをして、必要なものだけを買うようにすると、節約が習慣づくようになります」
(4)スーパーの滞在時間は10分以内
「スーパーでは、長く滞在するほど購入金額が高くなると言われています。商品の陳列はお客さまの購買意欲を掻き立てるように買い物導線が作られています。お客様の動きを分析し、お客さまが買いたくなるような仕掛けが満載なのです。ですから、滞在時間が長くなればなるほど、『これもお買い得では?』という気持ちが生じ、小さな積み重ねが合計金額にかさみます。やはり、事前に必要なものをメモし、本当にいるものだけをサッと選んでサッと会計を済ませる、これが節約につながります」
’23年も物価高の傾向に歯止めは聞かないもよう。日々の買い物の習慣を見直して家計の負担をやわらげよう。