「私は85歳だけど、新聞を読むのに老眼鏡なんて使いません。野草を摘みによく歩くし、マッサージを受けたこともない。病気知らずで、まったくボケてません」
力強く話すのは、料理研究家の“若杉ばあちゃん”こと若杉友子さん。全国各地を料理教室や講演会などで駆け巡る元気の源は、粗食とよもぎの力が大きいという。
「春が旬の野草には苦味があり、昔の人は毒消しの薬として重宝しました。特によもぎは、最高の万能薬です」(若杉さん・以下同)
野山に自生するよもぎに、どんな力があるのだろう。
「よもぎには汚れた血液の浄化や造血、止血の作用があり、炎症を抑え、体を芯から温めます。血の巡りや内臓の動きが活発になって、便秘や肩こり、更年期障害などが改善。アトピー性皮膚炎がよくなったという人も大勢います」
また、よもぎには葉緑素や食物繊維、酵素、鉄分、ミネラル、カルシウム、ナトリウム、マグネシウムに、ビタミン類も豊富。元東京大学伝染病研究所の小島保彦博士による「よもぎにはがんの予防効果がある」という研究もあり、よもぎパワーは底知れない。よもぎはまさに今、旬を迎えている。
「地域によりますが、食用にできるのは3~4月に採れた新芽だけ。大きく成長したものは食べられません」
ギザギザした葉全体にうぶ毛が生えていて、さわやかないい香りがほかの野草と見分けるポイント。犬の散歩道や排気ガスの多い道路沿い、駐車場、農薬を使っている畑の近くでは摘まないこと。山の中や河原で摘むのがよいが、なかなか行けない人は根ごと持ち帰って家で栽培する手も。繁殖力が旺盛なので簡単に育てられる。
また、旬の時季に百貨店や地域の直売所などで販売されることも。似た野草も多いので、見分ける自信がない人は購入しよう。
「生ではなく、あく抜きをしてから食べてください」
あく抜きの方法はよもぎの大きさ次第だ。7cmまでの小さいものなら塩ゆでして水洗いすればOK。だが大きくなるほど、塩ゆで後に水にさらしたり醬油で洗ったり、追加の工程が必要になる。
「旬の早い時期に5~6cmのものをたくさん摘んで。あく抜きしてからラップに包んで冷凍すれば、半年ほど保存できます」
若杉ばあちゃんに簡単なよもぎ料理を紹介してもらった。
「でき上がりの味はご飯のおともに最適な濃いめになっています」
よもぎ料理で不調を吹き飛ばそう!