画像を見る

光熱費の高騰が続いています。2月検針分から、電気は1キロワット時あたり7円、ガスは1㎥あたり30円の国の補助が入りましたが、冬は使用量の多い時季。値下げを実感した人は少ないでしょう。光熱費を抑えるには、やはり節電が一番です。ただ一般的な節電は実践済みという方には次の一手として、省エネ性能の優れた家電への買い換えはいかがでしょう。たとえば15年前の冷蔵庫と23年モデルとでは、電気代に年約1万円の差があるものも(環境省)。

 

とはいえ、買い換えには資金が必要ですが、ポイント付与などで支援する自治体が増えています。たとえば東京都の「東京ゼロエミポイント」。都の基準を満たすエアコン、冷蔵庫、給湯器、照明器具に買い換えると、ゼロエミポイントがもらえます。ゼロエミポイントは、まず1000ポイントがLED照明の割引券に、それ以外のポイントは商品券に交換できます(1ポイント=1円、以下同)。しかも23年度はポイントが2~3割アップ。501リットル以上の冷蔵庫に買い換えた場合、3月中なら21000ポイントですが、4月以降は26000ポイントと、5000ポイント増えます。

 

千葉県の「ちば省エネ家電購入応援キャンペーン」はエアコン・冷蔵庫・電気給湯器の買い換えが対象。購入金額が15万円以上なら30000ポイントなど、金額に応じてPayPayなどのキャッシュレスポイントか、商品券がもらえます。長野県「信州省エネ家電購入応援キャンペーン」は、WEBでエコ診断を受け、地域協力店で購入するとポイントが2倍に増えます。最大80000ポイントの大きな補助です。

 

また、ポイント付与や商品券による補助が多いなか、愛知県豊田市は銀行振込みで現金が支給されます。対象は4万円以上のエアコンと冷蔵庫。市内の販売店で購入などの条件を満たすと、1台あたり2万円の補助金が受け取れます。さらに、宮城県の「みやぎ省エネ家電に買い換えキャンペーン2023」など、対象商品の買い換えで抽選に参加できるところも。さまざまな支援があるので、お住まいの自治体で探してみてください。

 

■光熱費高騰は続く…節電補助の活用を

 

いっぽう国は、「住宅省エネ2023キャンペーン」を行います。ガラスの交換や内窓の設置など省エネ目的で窓をリフォームすると、費用の2分の1、上限200万円の補助が出ます。費用は高いものの、節電効果は大きいので検討しては。光熱費は今後ますます上がっていくでしょう。というのも、大手電力・ガス会社が海外から購入する原料は、長期契約です。今は値上がり前の契約分が残っていますが、今後は高騰後に契約した原料ばかりになるからです。

 

光熱費をはじめとする物価の高騰を考慮した1月の実質賃金は前年同月比で4.1%も下落。減少は10カ月連続です(厚生労働省)。国の節電補助が9月で終わるなどもってのほか。補助の拡充を求めたいと思います。

経済ジャーナリスト

【関連画像】

関連カテゴリー: