「ブラジャーの選び方、つけ方によっては、体調や美容にも大きな影響を与えます。とくに更年期の時期からは、体の状態に合ったブラジャーを選び、体を思いやることが大事です」
こう語るのは、『Beauty Body Protocol 大人のための下着の教科書』(ブックマン社)の著者で、田中みな実をはじめ、多くのタレントからも信頼の厚い、下着美容研究家の湯浅美和子さん。
ブラジャーは、本来バストを守り、美しいバストラインを作る、女性にとっての必須アイテム。だが湯浅さんによると、更年期世代の女性のなかには、合わないブラジャーでバストラインが崩れたり、猫背やハミ肉で困ったりしている人も多いという。
■肉質が柔らかくなり胸が下垂する更年期
そこで、そんな更年期世代の気になるブラの悩みを4つピックアップ。湯浅さんに解決法をアドバイスしてもらった。
【肩こり】ストラップの「太さ」と「伸縮性」をチェック
〈解決法〉ストラップは太く、伸縮性があるものを選び、土台が水平になっているか確認/親指をストラップで上下に動かせるかをチェック、胸の重さは土台で支えると意識する
ストラップは添え木と思い、基本的に胸を持ち上げるのは土台ベルトと認識してアンダーサイズの合うブラを選ぶ。
〈NG〉ストラップが細く、短くきつめにセット/土台が背中側で上に引き上がっている
ストラップが短いと、胸の重さが肩にのしかかる。ストラップをはずしたときに食い込み痕がある人は注意。
「肩こりは、ストラップを短く、きつめにセットしていることが大きな原因のひとつです。ストラップを短くして胸を上げようとすると、胸の重さを肩が背負うことになります。とくにボリューミーな胸の方が細いストラップを短くセットしていると、肩が圧迫された状態となり、肩こりになりやすいんです。それを解消するためには、伸縮性のある太いストラップのものを使いましょう」(湯浅さん・以下同)
【猫背】「バストトップの位置」と「ストラップの位置」で解消
〈解決法〉ストラップがカップの脇寄りについているタイプを。カップ一体型のストラップが胸を斜めに持ち上げる/バストトップの位置は肩と肘の真ん中
胸の重さで前かがみになりがちだが、脇寄りのストラップで肩が開くため、猫背になりにくくなる。
「猫背は、ストラップが短くても長くてもなります。短くきつくしている場合は、肩こりと同じで胸の重さを肩が背負うことになるため、肩が前方に引っ張られて猫背になりがちです」
一方、ストラップを長く、ゆるくすると、バストトップの位置が下がる。下がった状態が続いても、猫背になってしまうという。
「猫背を解消するためには、ブラジャーをつけるときに、鏡を見ながら、バストトップの位置が肩と肘の真ん中になるように、ストラップの長さを調節することです」
【ハミ肉・食い込み】原因は若いころのままの「サイズの思い込み」
〈解決法〉背中がU字になるブラはブラ圧がU字の中央に向かい、肉がはみ出ない
生理周期などで胸が張るときは、ジョイントホックがあると便利。
〈NG〉背中がT字になるブラは生地から肌に直接圧がかかり、外枠から肉がハミ出る
「ブラジャーからお肉がハミ出てしまうのは、自分のサイズより小さいものをつけている場合がほとんどですが、加齢で肉質が柔らかくなるため、ジャストサイズでもまれに肉もれすることが」
肉もれしているかは、背中部分を鏡で確認してチェック。
「土台ベルトとストラップがアルファベットの『T』字になっているタイプは、生地から肌に直接ブラ圧がかかり肉もれしやすいです。一方、バック部分が『U』字のタイプは、ブラ圧が背中の中央に向かって逃げるので、肉もれしにくくなります。ハミ肉が気になる方は、『U』字タイプがおすすめです」
【ほてり・多汗】「使い捨て脇パッド」装着&「押し洗い」
〈解決法〉使い捨て脇パッドをカップの端にはさむ/洗濯はぬるま湯に中性洗剤を少々入れ、手でソフトに押し洗い
更年期によるほてり、多汗といった症状が出やすい50代以降。
「とくにブラジャーをつけていると気になるのが脇汗。脇汗がブラジャーに染み込むと、臭いと黄ばみの原因に。汚れたままにしておくと素材の機能が低下し、柔軟性も失われてしまいます。着たらその日に、洗濯機洗いではなく、やさしく手洗いしましょう」
脇汗対策として湯浅さんがおすすめするのが、使い捨て脇パッド。
「ブラジャーのカップの両サイドに、脇パッドをはさんでセットします。汗をかいたら、また新しいパッドにつけ替える。そうするとブラジャーも長持ちしますよ」
これらのアドバイスを参考に、今の自分に合うブラジャーを探して楽しもう♪