家の前でガレージセールを決行。昭和レトロな食器は令和で大人気(写真:本人提供) 画像を見る

【前編】「早く登記簿を見ておけば…」作家・高殿円さん 実家じまいで嵌った“まさかの落とし穴”より続く

 

15年放置されたボロ家の「実家じまい」を決意した作家・高殿円さん。

 

トントン拍子で400万円で売れたと思った矢先、まさかの「再建築不可物件」ということが発覚。売却の話は無しになり、実家じまいは振り出しに戻るーー。

 

■15年放置のゴミ屋敷 地獄の片づけ

 

「だけど、売れないなら貸せばいい。そのリフォームのために、実家の荷物を片づけることにしました」

 

いざ足を踏み入れると、腐敗臭がした。流しの排水口には腐った生ゴミが乾いていたという。

 

「まさにゴミ屋敷です。業者に荷物処分の依頼をすると、80万円と言われて。いちばん安い見積もりでも40万円でした」

 

節約のために、ゴミは自分たちで片づけようと、家族総出でモノをゴミ袋に詰めていくが……。

 

「初日の片づけで、皆の士気が下がるのがわかりました。すぐに床がゴミ袋でびっしり埋まり、なかなか減らず、途方もない量でした。そこで考えたのが、ガレージセールです」

 

収益がなくてもいいから、とにかく一刻も早く片づけたい。

 

この“ガレージセール”を機に、高殿さんの実家じまいは好転していく。

 

「不用品を近隣で取引する“ジモティー”というサイトで宣伝したところ、多くの人が興味を持ってくれました。伯父の服を車で持っていってくれたおじいちゃん。若い夫婦は籐のダイニングセット。それはもう、面白いくらい引き取られましたね」

 

■仏壇をゴミ焼却場に!婚礼だんすは破壊!

 

この勢いで、処分が難しい仏壇と婚礼だんすにも手をつける。

 

「仏壇は、檀家であるお寺に相談すると、『弔いあげも終わっているので、ゴミ焼却場に持っていっても大丈夫』と言ってもらい、気楽に処分できました。

 

祖母の婚礼だんすは2階から下ろせないので、こればかりは力業です。みんなで、チェーンソーでぶった切って解体しました(笑)」

 

そのほか、洗濯機や冷蔵庫など大型の家電を合計8万円で処分したが、人に貸せる状態にするにはまだインフラの整備が残っていた。

 

「ここまでやった時点で、貸すのも無理があると感じていて。調べると、『再建築不可物件』でも買い手はあることを知り、それならば利益度外視で売ろうと決心します」

 

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