「強い紫外線や冷えたエアコンの風、汗などによるダメージや疲労が蓄積した“夏枯れ”の肌は、トラブルが起こりやすくなっています。放置したまま冬に突入すると、深刻な乾燥で悩むことに。特に40代以上の方は代謝も落ちているので、老化を加速させてしまいます」
こう警鐘を鳴らすのは、美容家で美・ファイン研究所を主宰する小林ひろ美さんだ。
「気温がぐっと低くなった今、特に気をつけたいのが“顔冷え”です。冷たい空気に触れていると、細く弱い毛細血管に十分な血液が流れにくくなります。そうすると肌の血行が悪くなり、くすみ・むくみの原因となるのです」(小林さん、以下同)
そんな顔冷えの症状に効果があるのが「炭酸」を用いた美容法だという。炭酸は、世界中で高血圧や心臓疾患などの治療に用いられ、日本でも温泉(炭酸泉)などで保養のために活躍してきた。最近の医療現場では、創傷治療用ゲルの原料としても用いられている(東京理科大学の発表)。
私たちにとっていちばん身近な炭酸である「炭酸水」にも、顔冷えを改善する効果があるとか。
「炭酸水には、腸内環境が改善される、ダイエットによいなどの効果があるというのは多くの方がご存じだと思います。炭酸水を飲む以外に、外側から皮膚に活用するケアもあります。血行を促進するので、肌にもいいのです」
炭酸水に含まれる炭酸ガスの成分は、二酸化炭素(CO2)だ。二酸化炭素は気体のままでは経皮吸収されないが、水に溶けることで、皮膚に浸透しやすくなる性質がある。
液体に溶けこんだ二酸化炭素は分子量が非常に小さく、毛細血管まで到達。二酸化炭素が血管に入り、血管内が一時的に酸欠状態になると、血管が拡張、最終的には血行がよくなるといわれている。
このメカニズムを活用した美容法が、小林さんおすすめの「炭酸水3分パック」だ。
「私が提案するのは、コットンに炭酸水を含ませて顔に貼る方法です。フレーバーや糖分の入っていないものを使いましょう。
パックをして3分たったら、コットンを外していつもの化粧水、美容液、乳液などのケアを入念にするのみでOK。1時間後には自分の肌の違いを実感できると思います」