綿のような、もふもふとした新感覚の濃密極細毛歯ブラシとしてヒット中。毛の本数は約1万6千本。歯だけでなく歯茎と舌も磨ける。電動音波タイプも発売されている。768円(税込・編集部調べ/撮影:清藤直樹) 画像を見る

触りごこちよし、見た目もよし。「モフらし」登場により、いまにわかにヒットしているのが細毛が密集したもふもふ系の歯ブラシ。弱った歯茎や歯周病に悩む人を中心に人気を集めている。もふもふ歯ブラシを最大限に生かす磨き方も伝授!

 

■爆売れ中の「モフらし」って?

 

「濃密極細毛歯ブラシ」という商品名で’21年4月より発売。ふわふわした毛先の柔らかさは歯茎に優しく磨きごこちがよく、子供からお年寄りまで幅広い層から支持を得た。’24年4月に現在の癒し系の商品名とパッケージに変更して以降、さらに人気に火が付き累計販売部数177万本(1月時点)のヒット商品となった。

 

■柔らかくて毛がたっぷりの歯ブラシで歯周病対策の磨き方を!

 

「年齢を重ね、歯茎が痩せ衰えて、歯の根元が出てきた時点で、気持ちを新たに切り替え、第二のブラッシング指導を受けていただきたいですね」

 

そう話すのは歯科医師の倉治ななえ先生。若いころのように力を入れる歯磨き法は、歯茎が弱くなった人や歯周病患者には逆効果で、知覚過敏や摩耗などを引き起こすそうだ。

 

「コラーゲンが少なくなり、歯茎が下がっていくと、歯の根元(象牙質)が露出してきます。象牙質はとても傷つきやすいので、若いころのように力を入れて磨いていたら危険です。歯茎を傷つけず、象牙質をすり減らさないためにはどうしたらいいのかとなったときに、もふもふ歯ブラシが適しているということになります」

 

多種多様な濃密毛タイプの歯ブラシが販売されているなかで、自分に合うもふもふ歯ブラシの選び方を聞いてみた。

 

「手の親指と人さし指の付け根の三角ゾーンの合谷周辺がいちばん皮膚が弱いとされているので、そこに当ててみて自分が心地よいなと思う歯ブラシが正解です。注意すべきは、極細毛が密集している歯ブラシでも、毛が硬いもの。口内を傷つけてしまうのでおすすめできません。毛の先端が波打つやわらかいものがおすすめです」

 

歯周病は認知症をはじめ、糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞など全身疾患を引き起こす“国民病”。いくつになっても食事を自分の歯でおいしく食べるために、もふもふ歯ブラシで口内をいたわり、健康な歯と歯茎を保っていこう!

 

■正しい磨き方でもふもふ歯ブラシの効果がよりUP!

 

【1】強さが最重要!毛が倒れないように優しい力で

「優しい力で磨くのが基本です。毛が寝ない程度の強さで磨くことを一つの指標にするといいと思います。毛が寝てしまう=その歯ブラシの限界を超えているということ(倉治先生、以下同)」

 

【2】歯ブラシはぬらさず使う!

「歯磨きする前に歯ブラシはぬらさないようにしてください。歯ブラシをぬらすと口の中が泡だらけになってしまい、磨けたものと勘違いし磨き残しが出てしまいます」

 

【3】斜め45度に当てて1本ずつ小刻みに磨く

「歯周病予防に効果的なのは、歯ブラシを歯と歯茎の境目に斜め45度に当て、小刻みに振動を与えるように1本ずつ磨くこと。すみずみまでブラッシングできます」

 

【PROFILE】

倉治ななえ先生

テクノポートデンタルクリニック院長、日本歯科大学附属病院臨床教授 歯学博士。日本フィンランドむし歯予防研究会副会長、日本アンチエイジング歯科学会理事(認定医)。著書に『むし歯・歯周病の最新知識と予防法』(日東書院本社)など多数。

 

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