経済ジャーナリスト・荻原博子さん(写真:本誌写真部) 画像を見る

2026年ももう6月、1年の折り返し点が近づいています。今年こそ駆け込みをやめて、今からふるさと納税を考えましょう。

 

ふるさと納税は居住地以外の自治体への寄付制度で、寄付のうち自己負担額2千円を超えた分は住民税などが控除されます。そのうえ寄付額の3割相当の返礼品をもらえることが多いお得な制度です。

 

返礼品では米や肉、魚、果物などが人気で、それらの産地である地方に寄付する人が多いと思います。逆に都市部では、住民から集まるはずの住民税が、ふるさと納税で地方へと流出してしまうことが問題でした。

 

2025年度の住民税の流出額は、1位の横浜市が343億円、2位の名古屋市が198億円、以下大阪市、川崎市、東京都世田谷区と続きます(2025年7月、総務省)。税金の流出が続くと、行政サービスに支障をきたすことも。これを食い止めるため、都市部でもふるさと納税を集めようと魅力的な返礼品をそろえるようになりました。

 

たとえば横浜市では人気ホテルの宿泊券や食事券、名古屋市では同市にメーカーの本社がある美容家電の「リファ」や鋳物製品の「バーミキュラ」などが人気です。

 

広島市ではサッカースタジアムで使える食事券などが人気で、2026年度の寄付額は前年度の5.3倍を見込んでいるという報道も。

 

■5万円の寄付で4人家族1カ月分の「お礼の電力」

 

ただ、宿泊券や食事券などは有効期限に注意が必要です。多くの場合1年間など比較的長期間ですが、気付いたら期限間近であわてたという人もいるでしょう。

 

そんな人には「旅先納税」も選択肢です。旅先の自治体にふるさと納税すると、すぐにデジタルギフト券が受け取れ、その場で使える仕組みです。観光地など100以上の自治体で導入済みですが、羽田空港がある東京都大田区など都市部での導入も増えてきました。

 

また、困り事の助けとなるふるさと納税もあります。たとえば電気料金の高騰。国の補助金が決まりましたが、標準家庭の7~9月の3カ月分で約5千円とは、“焼け石に水”感が否めません。

 

そこでもう一手、ふるさと納税を活用しては。たとえば群馬県中之条町では、5万円の寄付で1万5千円分、4人家族の約1カ月分に当たる500kW時の「お礼の電力」がもらえます。

 

ただし、寄付後に送られてくる申込書で電力会社の切り替えが必要なこと、利用できる地域が限定的なことなどに注意してください。

 

昨今の困り事といえばクマ被害も。クマ対策資金として返礼品のないふるさと納税が、半年間で2千800件、約1千万円が集まったといいます。地震や豪雨災害などでも、困った人たちを自己負担2千円のふるさと納税で支援できることを覚えておきましょう。

 

ほかにもお盆の墓参り代行や花火大会の観覧チケット、中元などに使えるふるさと納税もあります。例年とはひと味違う都市部や夏のふるさと納税はいかがでしょう。

 

【PROFILE】

おぎわらひろこ

家計に優しく寄り添う経済ジャーナリスト。著書に『65歳からは、お金の心配をやめなさい』(PHP新書)、鎌田實氏との共著『お金が貯まる健康習慣』(主婦の友社)など多数。

 

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