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ある日曜日のことです。朝起きましたら、息子の足の親指が化膿しているではありませんか! びっくりしてそのままパリ市内にあるネッカー子供救急病院へと連れて行きました。長いこと待たされて、やっと治療室に通されてみると、看護師さんがマスクをもって立っています。「ベッドに横になってこのマスクをしてね」と。

なんですか?と訊ねると「笑気ガスです。痛みを和らげます」と返ってきました。

「手術?」「たぶん」

そこに女医さんが登場、マスクをして横たわる息子を見るなり「巻き爪だから、手術は必要ないわ」と告げ、診察は5分で終了。専門医への紹介状を書いてくださいましたが、息子は笑気ガスのせいでふらふらです。半日「気持ちが悪い」とうめいておりました。

その数時間後、足の化膿が悪化。主治医に電話で相談したところ「再度、救急に行き、抗生物質を貰いなさい」との指示。夜9時くらいから並び始めたのですが、日曜日だからでしょうか? 待合室は、大勢の子供連れ。診察室に通されるまで5時間もかかりました。

4時間たったあたりで看護師さんが一度やって来て、「また来たの? 先生はもう診ないと言ってますよ。お帰りください」と言うじゃありませんか。

必死で食い下がり、息子の化膿した足を見せて、やっと納得。夜中の1時過ぎに診察室へと通されました。先生は怒った感じで「巻き爪ですよ」と言い張り、一歩も譲りません。結局、抗生物質もいただけませんでした。

翌月曜日、専門医を訪ねると、「これは単なる靴擦れですよ」と意外な診断結果が(笑)。「化膿が酷ければ私なら抗生物質を出しますね」との見解。

主治医の先生にいたってはかなり怒って、抗議の電話をネッカー子供救急病院へとかけてくださったのです。女医さん、たった一人で24時間勤務でしたから、疲れて、判断が鈍ったのかもしれません。救急病院の人手不足、日本は大丈夫でしょうか?

さて、今日は疲れたご主人のお酒のお供に最適。新作オクラ料理のご紹介です(笑)。

材料:オクラ10本、梅昆布茶、オリーブオイル、すりごま、黒胡椒、白ごま、本つゆ(3倍濃縮)、マヨネーズ、マスタード(出来ればディジョン製。辛すぎないのでお子さんにもOK。味に深みがあります)。

まず、オクラの下処理をします。オクラのヘタの余分な長さをカット、がくの部分を削ります。毛深いオクラは塩を揉み込みながら両手でごしごしと産毛を除去しましょう。

お湯を沸かし、一つまみの塩(分量外)を投入、沸騰したら1分40秒ゆでます。落としぶたをして、全体に熱が回るように。ゆでたら、すぐに冷水で冷まします。(塩を入れるのと冷水で流すのは、緑色を鮮やかにするため、また、しゃきしゃき感も増します)

必ず、縦に包丁を入れ二等分します。輪切りよりも筋に合わせて二等分したほうが歯ごたえも良し。

ボウルにオクラ、マヨネーズ大1.5。本つゆ小1。すりごま小1。オリーブオイル小1。マスタード小1。黒胡椒少々。梅昆布茶1g程度(重要です。ぼくは南禅寺の香葉茶を使っています)を入れ、粘りが出るまで混ぜ、お皿に盛ってください。上に白ごまをふって完成となります。

お疲れのお父さんにビールや日本酒と一緒に出してあげてください。きっと大喜び間違いなし。

私メもこの一品とビールで日々の大変さを乗り切っております。お父さんが笑顔だと家族円満ですね。

ボナペティ!

エッセイで紹介されたレシピは、
辻仁成 子連れロッカー「希望回復大作戦」ムスコ飯<レシピ>で公開中!

 

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