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人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ…!

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洋服を選ぶのって、すごく頭を使うから
ついつい同じ服ばかり着てしまう。
何かしらのパーカー、ショートパンツ、タイツ。
朝は時間がないし、鉄板って大事。
この三種の神器さえあればわたしはどんな季節をも乗り越えてしまえる。

…。

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「いつもの」で楽をするこの体たらく…!
せっかく服のレパートリーがこれだけ恵まれた現代に生まれたのに
なぜ限られたファッションと限られた色彩の中生きているのか…

もっと楽しめよ…!ファッションライフを…!!!

というわけで、日本屈指のファッションストリートである原宿の中でも
さらに個性的なファッションが集まる裏原宿(通称:裏原)をぶらぶらしてみることにしたわたしは
原宿通りへ降り立った。

ブランド店も多く、ショップの袋を持った人もちらほら。

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ふとラクガキやステッカーが貼られた壁のあいだに小さな入口を発見。その横には「Dog」の看板。

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こ、これは…あのレディガガも来日する際訪れるという最先端ブランド「Dog」じゃないか…!
ドキドキしながら潜入することに。
何かを変えたいなら、「行き過ぎ」なくらいがちょうどいい。

これはすっかり攻める気持ちを失いつつあったわたしが
ブランド「Dog」の門を開いて新しい何かを切り開く汗と涙の青春ストーリーである…。

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入口から店内へ至る途中の階段に置かれたマネキンが既にオーバーザ理解。
これまで生きてきた中で頭からデニムをかぶった人に出会ったことはなかった…。
どこもかしこもラクガキとステッカーだらけの刺激的な階段を抜けて、
到着した店内にはさらに刺激的な世界が待っていた…。

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な…

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なんだこの世界は!!!!!

まるでサンバが行われるのではないかと疑うような服…?コスチューム…?の数々…。
一体誰がどんなタイミングで着るのだろう?
分からないけどとにかくスゴすぎる店内に圧倒される。

いや…圧倒されてる場合じゃない…!
冒険心を取り戻すために、わたしはここに来たんだ。

よし、着よう。

スタッフのお力を借りて、Dogの世界に染まってみようじゃないか。

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(写真左:店長・コンボイさん、右:スタッフ・ぺにぺにさん)

 

「外に出れそうな服で」とお願いしたところ、
完成したコーディネートがこちらです。

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キャップ:「はやとちりめっさめでたいcap紅白」19,800円
シャツ:10,800円
ジャケット:「はやとちりめちゃめでMA-1」148,000円
パンツ:「はやとちりラッキー大吉パンツ」79,800円
靴:「ラッキー大吉 足袋クラスト」19,000円

全身に福の字があしらわれた上下。
いろんなところから飛び出すしめ縄。
金と赤をメインにしたきらびやかすぎる装飾。

おめでたすぎるわ!!!!!

「白無垢」や「赤いちゃんちゃんこ」などおめでたい服は数あれど
それを遥かに凌駕するおめでたさ…!
これで外に出れるかい!!!!!

と、初めは思ってたものの
どんどんわたしの心はグッと掴まれていく…。
あれ…?すごくかわいくない…?
ゴテゴテしているけど、基本の黒がシュッと引き締めてくれるから派手すぎない(毒されてる)。
少なくともここ5年のうちに着た服の中で一番似合ってる気がしてきた…。
写真を撮ってもらいながら、普段にはない積極性が自分に芽生えていくのを感じる。
圧倒的洗脳力。これがファッションの魅力か…!

調子に乗ったわたしは意気揚々と店内を物色する。
カラフルなものを…。
より変身できるものを…!

編みに編み込まれたニットに目を付けたが、何を合わせればいいか分からない。
店長に相談したところ、奇跡のコーディネートが実現。

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ヘルメット(?):88,000円
ニット:「ハーネスニット」120,000円
パーカー: 12,800円
ジャージ:7,800円
猿のバッグ(?):128,000円

猿!!!!!!!
そこそこ重い機能性度外視の猿を抱きしめ
明らかに頭にかぶるために生まれたものじゃない素材で作られた激重ヘルメットをかぶり
わたしは一体何をしているんだろう…?

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一応猿の腹の中に物が入れれる仕様。
いや…猿…なのか?
見れば見るほど迷宮入りする。
この非日常感が…楽しい…!

最後を飾るのは、手書きの般若心経で埋め尽くされたセットアップ。

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上:12,800円
下:12,800円

オール手書きのこの世に一点しかないセットアップ。
理論上では自分でも作れそうだが、作れる気がしない。
ここまで執念にまみれたファッションが今まであっただろうか…?
でも、どこかオシャレ。
絶妙なバランスで保たれた「Dog」のファッションだ。

「着てみて初めて分かる良さがあるな…」
そう呟いたとき、ぺにぺにさんが「そうなんです!心が元気になりますよね」と同意してくれた。
スタッフたちもこの店に魅了された一人なのだ。

店長のコンボイさんは、高校までは全く服に興味がなかったと言う。
「その頃の店長を雑誌で見て、感銘を受けました。なんてスゴい格好してんだって…。高校を卒業してからはずっと派手な格好をしてて、この店にも通ってました。この店はもう究極だな!!って。やっぱり、唯一無二。売れる売れないじゃなくて、かっこいいと思うものだけを追求する。そういうところに惹かれます」
5年前からDogのスタッフになり、今では店長というコンボイさん。
「Dogの服はパワーがあってエネルギッシュ。うちにしかないものを、今後も売っていきたい」

実際着てみたから分かる。
服の力によって引き出される“無敵”になれたような心の高揚感…。
これが服のエネルギー…!
“人に見られる”ということを気にしだすとついつい無難になってしまいがちだが、
実はもっと自分が元気になるために、自分のことを考えて服を選んでもいいのかもしれない。

冒険するのが怖くなってしまった人は
裏原宿で新しい扉を開けてみてはいかがだろうか。

わたしは思いのほか開いてビックリしたので思わず閉めたところです。

 

「Dog」東京都渋谷区神宮前3-23-3 トリニティービルB1
撮影協力:米原康正