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石垣島・於茂登岳(おもとだけ) 亜熱帯の原生林に包まれた沖縄県最高峰

石垣島滞在2日目。宿の窓から見えるブーゲンビリアが鮮やかだ。この日は、山歩きの前に八重山漁協へ出向き、マグロの水揚げシーンを見学。背びれに黄色のマークがついたキハダマグロやメバチ、ビンナガマグロが次々と漁船から下ろされてくる。床に置かれたプラスチックの桶の中には色鮮やかなミーバイやグルクンなど南の海の魚たち。朝の市場は活気があって楽しい。

マグロの刺身とおにぎりの朝食を済ませ、於茂登岳に向かう。市街地から登り口まではレンタカーで20分ほどの距離だ。晴れてはいるが、サトウキビ畑の上に姿を見せる於茂登岳の山頂付近は雲に覆われている。風が強いのかなぁ。パイナップル畑の周囲に「自衛隊配備断固反対」の看板が立っている。八重山諸島に降ってわいた「基地問題」である。外国人観光客の急増に続き、自衛隊配備問題と、南の島を取り巻く環境は激変の様相だ。

登り口の広場には数台の車が止まっていた。ワンボックスのワゴンも。グループの登山者が来ているのだろうか。準備を整え、のんびりと歩き始める。9時半スタート。沢にかかった丸太の橋を渡り、朝露に濡れた道を進む。5分ほどで小さな祠が見えてきた。道中の無事を祈願する。沢沿いの緩やかな道をハイキング。亜熱帯の原生林の中で、さまざまな野鳥たちが存在感を示すかのように鳴いている。

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歩き始めて20分、滝音が聞こえてきた。滝への分かれ道の標示板もある。ちょっと立ち寄ってみるか。左手の小道を行くと、ほどなく落差十数㍍の滝が現れた。マイナスイオンを浴びながら、落ちてくる水を眺める。リフレッシュのひとときだ。先ほどの登山道に戻り、上を目指す。しばらく行くと、イタジイの巨木があらわれた。絶好の休憩ポイントだ。岩の上に腰をおろし、水で喉を潤す。コンビニで買った黒糖で糖分を補給。鳥の声を聞きながらくつろぐ。上空は風が出ているが、ここはジャングルの木立が風を防いでくれている。気温もそう高くはない。いい感じだ。

再び歩き始めると、初めて急な傾斜にさしかかる。ここまでの歩きで足が慣れているので、さほど苦にはならない。急登が終わると、リュウキュウチクが道を覆うようになる。登り詰めると左にドーム付きの施設があらわれた。気象関係の施設のようだ。再びリュウキュウチクのトンネルをくぐっていくと標識が。ここを左に折れると、防災無線施設の建物前に着く。この施設で7、8人の方が作業をしていた。登山口にあったワゴンはこの人たちの車だったのか。作業のために、ここまで登ってこなければならないのだから、ご苦労なことである。

建物の先にある細い道を登り切ると於茂登岳の山頂だ。歩き始めてから1時間20分ほど。

ジャングルの中の登山道をのんびり歩く南国ハイキングだ。

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ガスと風の山頂に咲く可憐なシャリンバイ

山頂は風が強い。正面から右手(北方面)はすっかりガスに覆われて眺望はゼロだが、左手(西南方面)は美ら海が広がる八重山ならでは絶景を楽しめる。地元の若者が先に着いて、わずかな景色を楽しんでいた。ガスが晴れるのを待っているようだったが、あきらめて「お先に」と声をかけて下りて行った。

山頂を独り占めである。花崗岩に腰をおろし、まずは一服。遠くの海を眺めながらの一服タイムは、都会では味わえない極上の時間だ。誰もいないから気兼ねする必要もない。後片付けをきちんとすればいいだけである。さえぎるものがないので、思いのほか風が強い。空もどんよりとしてきた。そんな山頂に可憐な白い花が咲いている。名前は分からないが、単独の登山者を癒してくれる存在だ(下山後に調べたらオキナワシャリンバイというバラ科シャリンバイ科の常緑低木だった)。

花を愛でたり、海を眺めたり。20分ほど山頂でのんびりとして下山。昨年は、ハブとマングースを警戒しながら沖縄本島の最高峰・与那覇岳(503メートル)に登った。あれから1年余り。今度は沖縄県の最高峰を制覇。感無量である。

下山途中、足元でガサガサと音がしたので、目をやると大きなバッタだ。愛嬌のある目をしている。動きがのろく、簡単に捕まえることができた。ユーモラスな顔を楽しませてもらい、放してやる。しばらく歩くと、今度は岩の上に、もぞもぞと動く物体がいる。近づくと赤と黒のツートンカラーのヤスデだった。クネクネと不気味な動きをする。一応、スマホで撮影。そうこうしているうちに祠の場所まで下りてきた。無事下山のお礼をして、橋を渡り、登山口に戻ってきた。亜熱帯の原生林に生える大きなシダやヤシ、そして森の中にうごめくいろんな生物たち。南国の山歩きは、本土とは全く違う貴重な体験をさせてくれた。

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【石垣島の宿】

石垣島の宿はそれこそピンキリ。素泊まり1,800円といった民宿から一泊ン万円の高級リゾートまで。長期滞在用の宿泊施設も揃っているから、移住を考える人は、こうした施設に1カ月ぐらい滞在して判断するといいのでは。今回宿泊したのは、繁華街・美崎町にほど近い大川町の民宿「楽天屋」。昭和建築の木造2階建ての本館と、大正末期赤瓦の民家の別館がある。1泊素泊まりで3,000円。レトロな雰囲気が人気だ。Wi-Fiも利用できるし、洗濯も可能(洗剤代50円)。共同トイレ、シャワーという条件だが、宿泊費を安く抑えたい人には重宝だ。

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【石垣島の交通手段】

石垣島は沖縄県で3番目に広い島。空港から市街地まではバスで約30分(540円)。夕日スポットなどへの移動を考えたらレンタカーがいちばん。小型車は1泊2日で約5000円。空港までの送迎がある。

ANA 南ぬ島スタッフの離島自慢

美ら海を眺めながらのおいしいスイーツタイムはサイコーです

ブルーエースグランドサービス株式会社 空港部旅客課
巻嶋 太勝さん(右)
大城 亜津美さん(左)

石垣島はおいしい食材の宝庫。巻嶋さん、大城さんのお薦めフードは?

「まずは八重山そばを味わっていただきたいですね。本島の沖縄そばと違い縮れのない丸麺が特徴です。おいしいお店はいっぱいありますが、個人的には明石食堂のソーキそばですね。ソーキがじっくりと煮込まれ、本当に口の中でとろけますよ。スープはとんこつベースですが、意外とあっさりしています。来夏世の八重山そばは、かつおだしの優しい味。じゅーしー(沖縄風炊き込みご飯)と一緒に味わってください。昨年の八重山そば選手権でオリジナル汁そば部門でグランプリを取った新垣食堂の牛そばもお薦めです」

カフェも充実している。

「真っ青な美ら海を眺めながらランチやスイーツを楽しめるPUFF PUFF(プカプカ)や島野菜カフェ リハロウビーチは、メディアにも取り上げられる人気店です。リハロウビーチのパンケーキやロコモコ、おいしいですよ。自家牧場で育てた乳牛の乳を使ったジェラートを楽しめるミルミルは高台からの景色が最高です」

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沖縄離島シリーズ、次回は島の9割が亜熱帯原生林に覆われている西表島に突入です。カヌー、トレッキング、シュノーケリングとアウトドアライフ三昧のレポートにご期待ください。