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「落語は大掛かりなセットや豪華な衣装がなくても、手ぬぐいと扇子さえあれば体一つでできる演芸です。リハーサルもいらないし、ひとりで何千人もの観客の想像力を刺激できる。体一つで古代から未来まで森羅万象が描ける素晴らしい演芸なんです」

 

そう落語の魅力を熱弁するのは、日本で唯一の寄席演芸専門情報誌『東京かわら版』の編集長・佐藤友美さん。’94年から落語を中心とした演芸を取材し、毎月多くの落語を見て、じかに落語家に話を聞く、いわば落語の専門家だ。

 

「お気に入りの落語家を見つけると、より楽しめます。現在は東西合わせて約850人の落語家がいるので、自分のツボにハマる落語家は絶対に見つかります!」

 

それでは、右も左もわからない落語ビギナーはどんな落語家を選べばいいのか。見つけるコツを佐藤さんに教えてもらった。

 

【自分と年齢が近い落語家を聞いてみる】

「年配の落語家と若い落語家では、知っている世界が違います。同じ時代を生きている同世代なら、社会現象や事件、流行などにも共通認識があります。違う世代の落語家よりもシンパシーを感じやすく、マクラ(本題に入るまでの小噺)も本題も受け入れやすいんです」

 

【見聞きしたことがある落語家を聞いてみる】

「多くの落語家のなかで、マスメディアに登場しているのは、一定数のファンがいて、人気もあり、注目されているということです。『笑点』の好きなメンバーでもいいですし、雑誌やテレビ、ネットなどで見かけて気になった人でもいいので、一度聴きに行ってみましょう」

 

【ホールで開催される落語会や独演会へ】

「東京も、大きな会場での公演は面白いモノが多いですよ。毎日どこかで落語が行われている日本一の落語激戦区ですから。チケット代は小さな会場では2,000〜3,000円台が相場ですが、大きな会場の場合はちょっとお高めです。とはいえ5,000円以内がほとんどです」

 

【寄席に何度か立ち寄ってみる】

「寄席はひとり約15分の持ち時間で、さまざまなタイプの落語家が次々と出てきます。2,500〜3,000円で一日中見られますが、いつ行ってもいつ帰ってもOK。しかも、寄席は飲食自由。新宿末廣亭と池袋演芸場はアルコール禁止ですが、ほかでは売店でお酒も売っています。寄席には大正・昭和の風情が色濃く残っていて、雰囲気は最高です。ぜひ、一度は行ってみてほしいですね」

 

好みの落語家を見つけたら、その人のホームページやブログやツイッターなどで情報をチェック!『東京かわら版』もうまく利用して、落語ライフを楽しもう!

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