防護服を着たスタッフが動き回る大阪暁明館病院の現場 画像を見る

「私どもの病院には現在、12人の新型コロナウイルス感染者が入院しています。そのうち3人が、重症患者です。さらに残り9人のうち3人も、症状は重症といっても差し支えないレベル。つまり、実質的には6人もの重症患者を抱えていることになります。

 

しかし、うちはもともと軽症と中等症の患者を受け入れている病院。本来、人工呼吸器などの“重症患者向けの医療行為”を行うことは想定していないんです。念のために人工呼吸器を購入していたことでなんとか対応できてはいますが、それも限界。すでに新規入院患者の受け入れは不可能な状態に陥っています」

 

そう語るのは、大阪暁明館病院事務長の西岡崇浩さんだ。

 

今も広がり続けている“第4波”。4月21日には大阪府での1日当たりの新規感染者が、史上最多の1千242人を記録。23日まで4日連続で感染者が1千人を上回っているなど、逼迫した状態となっている。

 

そんななか、22日には大阪府が“新型コロナウイルス重症患者向けの病床使用率が100%になった”と発表したのだ。

 

すでに一部の重症患者向け病院からは「80代以上は受け入れを拒否している」という声も。さらに重症病床使用率が100%を超えた結果、軽症や中等症向けの病院で重症化した患者が転院できなくなっているという。

 

一部では「たとえ悪化しても人工呼吸器をつけない」という条件つきでようやく入院できた例も報じられていたが、西岡さんのもとにも連日のように受入れ連絡が殺到していた。

 

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