「重症化しやすい可能性も」阪大教授語る“悪玉抗体”の存在
画像を見る 世界的発見をした大阪大学(写真:アフロ)

 

■非感染者も悪玉抗体を保持している可能性が…

 

新型コロナ感染を促進する“悪玉抗体”の発見。さらに恐ろしいことに、新型コロナ非感染者にとっても人ごとではない。研究グループが発表した論文によると、非感染者でも「感染増強抗体」を保持しているケースがあったというのだ。

 

「感染増強抗体を保持していた非感染者は検査した48人中2~3人でしたが、調べる数を増やさないと正確には1%なのか5%なのか、割合はわかりません」

 

非感染者が感染増強抗体を保持する理由についてはまだ解明されていないが、保持する人には看過できない傾向が見られたという。

 

「感染者の抗体の差を調べた結果、特に重症患者で感染増強抗体が多かったです。どの程度重症化に影響するかは不明ですが、感染増強抗体を持っている人が感染した場合、重症化しやすい可能性もあります」

 

重症化のトリガーとなりかねないだけでなく、日本でも日夜接種が進んでいるワクチンにも不安をもたらしかねない要素が……。

 

「この感染増強抗体がいくら産生されても、中和抗体が十分にあれば全く働きません。今使われているワクチンの接種では中和抗体が十分に作られるので、感染増強抗体は機能しません。ですので、感染増強抗体を持っている、いないにかかわらずワクチンを打った方がいいでしょう。

 

現時点のワクチンはインド株も含めて、中和抗体が十分に作られることはわかっています。ただ今後、さまざまな変異株が現れて、中和抗体が作用しないという場合、感染増強抗体だけが残る可能性もあります」

 

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