■“医療機器の値上げ”で病院経営が逼迫
いっぽうで今後、ナフサを原料とする製品価格の急騰は避けられないといわれている。実際、先月から今月にかけて、東洋紡や積水化成品工業などの化学メーカーがナフサを原料とする製品の値上げを発表していた。
山川会長が最も懸念しているのが、医療機器の価格上昇によって医療機関への“経済的な締め付け”が強まることだという。
「メーカーから医療機器の値上げの話はまだ来ていませんが、今後値上げされることは現実的な問題として懸念しています。そうなった場合、患者さんの治療に直接影響はなくても、透析施設の経営には大きな支障が出てくるでしょう。
透析に限らず、医療機関の診療報酬は国が決める公定価格なので、飲食店のように原材料のコストが上がったからといって病院側で値上げはできない。そのため医療材料の値上げ分は病院がそのまま負担することになります。
しかし、ただでさえここ3〜4年はインフレの影響であらゆる物価が上昇しているため、医療機関の赤字がどんどん増え、経営自体が困難になっている病院等が増加しているのが現実なのです」
厚生労働省が2025年11月に公表した「医療経済実態調査」によると、2024年度では全国の病院のうち67.2%が赤字。物価・物件・人件費の高騰が費用面の負担を押し上げているという。
「近年では透析医療は患者数が減少しているため、透析施設の収入は低下傾向にあります。しかしその一方で物価上昇に伴って透析施設の経費は年々上がっている。そうなると長い目で見ると透析施設経営は厳しくなります。実際、施設を閉じているところもポツポツと出てきています。
患者さんが医療を受けられる場所がなくなってしまっては患者にも大きな迷惑がかかります。今回の医療材料の価格高騰分に関しては、政府に何らかの対応をしてもらいたいという願いはあります」(山川会長)
