《代替調達は、7月については、前年平月比で「約10割の調達」への回復に目途がつきました》
6月11日、高市早苗首相(65)は自身のXにこう投稿し、石油の安定供給に一定の見通しが立ったことをアピールした。この日開催された「中東情勢に関する関係閣僚会議」の報告を受けての発信だった。
「日本はこれまで、ホルムズ海峡を経由して中東から約9割の原油を輸入していました。ところが、今年2月末に始まったアメリカとイスラエルによるイラン攻撃によって、ホルムズ海峡の通航が困難に。原油の輸入が大幅に落ち込んだため、政府は国家備蓄を放出する一方、石油元売り各社は中東以外の産油国や、ホルムズ海峡を経由しないルートからの代替調達を進めてきました」(全国紙記者)
その結果、政府資料によれば、代替調達率は5月が約65%、6月が約80%、そして7月には前年平月比で100%まで回復する見通しとなった(「中東情勢に伴う重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォース」資料より)。
こうした状況を踏まえ、高市首相はXで《7月は必要量を上回る原油を確保できる見通しが立ったため、6月も国家備蓄の放出は不要》だと説明してきた。さらに、《8月以降の代替調達が前年の75%程度にとどまった場合でも、備蓄を活用すれば2028年3月末まで安定供給を維持できる》との見通しを示してきた。
高市首相の説明だけを聞くかぎり、原油の供給不安は大きく後退し、少なくとも当面は深刻なエネルギー不足に陥る可能性は低いようにも見える。
だが、「これで安心するのは早い」と警鐘を鳴らすのは、資源エネルギー庁の委員も務めるコネクトエネルギー合同会社代表の境野春彦さんだ。
境野さんは、「7月の調達についてはかなりうまくいっているという話を、石油元売り関係者からも聞いている」と一定の評価をしながらも、「懸念される問題が3つある」と、こう指摘する。
