「脳梗塞が再発して今年の12月で丸3年。いまも右手と右足に痺れがあって、リハビリは欠かせない日課です。リハビリは、朝食後、9時ごろに家から近所の公園へ。休憩を入れながら約1時間半かけて歩きます。終わると、家に帰って柔軟体操と右手でグー・パーを400回。あと、発音がちょっとスムーズでないので約15分、音読を。音読もすごいリハビリになるので。松下幸之助さんや昔の偉人たちの名言を読んでいます」

リハビリ生活を語るのは西城秀樹(59)。脳梗塞で最初に倒れたのが03年。このときは短期間の療養で復帰を果たした。しかし8年後の11年、再び病魔が彼を襲った。

「再発は『寒暖の差が原因』だと言われましたが、『あれだけ注意していたのに、何で!?』とすごいショックでした。しかも、時間がたつにつれて右半身に後遺症が出てきて、毎日考えるのはネガティブなことばかり。『この先どうなるんだろう……』『もうステージに立てないんじゃないか……』とか。それが高じて一種のノイローゼ状態になって、ついには『死にたい』と思うようになった。妻や子供たちがいるにもかかわらず。その状態が再発から1年近く続いたんじゃないかな……」

絶望の日々から彼を立ち直らせたのは、18歳年下の夫人(41)、長女(12)、長男(11)、二男(9)の家族一丸となっての支えだった。

「最初に脳梗塞を発症したとき、妻から『焦らないで、ゆっくり治していこうね』と言われました。その言葉が頭にあって『そうだ。とにかくできることから、ゼロから歩もう』と思ったんですね。妻だけでなく、子供たちも僕を気遣い、支え続けてくれています。男の子たちは一緒に入浴したとき、右手が不自由な僕のために背中を流してくれる。また、暗いところを歩くときや、階段を昇り降りするときは『パパ、危ないから』と言って、必ず手を差し伸べてくれます。もちろん長女も。そういうときは、本当にありがたい、嬉しいと思う反面『迷惑をかけたくない』とも思う。その思いが、リハビリの励みになるんです」

家族に支えながら、歌手としての活動も再開。来年4月には、8年ぶりの新曲『蜃気楼』を含む、還暦記念アルバム『心響(こどう)』をリリース予定だ。

「これからについては、やるべきことはすべてやっているので、もう一歩踏み出す足取りをしっかりしたい。それと願わくば、いちばん下のチビが20歳になるまで現役でいたいです。だから最低あと10年。健康に十分気をつけて、歌い続けていきたいと思っています」

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