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「7年前に糖尿病を発症して以来、糖質を抜いた一日一食生活を続けて、体重が86キロから69キロに激減したんです。ヒトは糖質を燃料とする『ブドウ糖エンジン』と脂肪を燃料とする『ケトン体エンジン』の2種類を持っている。私はケトン体エンジンに変えて、体の状態が劇的に改善したのです」

 

こう語るのは、著書の『ケトン体が人類を救う』(光文社新書)が発売2週間で4万部を超え、ベストセラーの勢いの産婦人科医で宗田マタニティクリニック院長・宗田哲男氏(68)。ケトン体とは、体内の脂肪の分解によって生まれる物質。84(マイクロリットル・以下同)が正常値とされるが、低糖質、小タンパクの食事に変えれば、その数値は1000〜2000に増加する。

 

ケトン体は、従来の医学会では、奇形や知的障害の可能性が高まると危険視されていた物質だった。ところが宗田院長は、新生児や妊婦の血液にケトン体が非常に多く含まれることを発見。ヒトに必要なエネルギー源だと証明したのだ。

 

「ケトン体エンジンに変える方法は簡単。ご飯や麺など糖質の多い献立を減らし、肉、卵、チーズなどタンパク質、脂質中心の食事に変えればいいのです。カロリーは気にしなくて大丈夫」(宗田院長・以下同)

 

白米は茶碗1杯(150g)の糖質が55.3gもあるのに対して、サーロインステーキ1枚(200g)の糖質は1g未満だ。卵1個は糖質0.1g。チーズ1個は糖質0.2g。お酒も焼酎、ウイスキーなどの蒸留酒なら糖質は0gだ。ケトン体食は“食費がかかる”ともいわれるが、完全栄養食である卵は安く、満足感も半端ない。

 

「今年の4月、厚労省が“食事によるコレステロール制限は必要ない”と認めたことも大きいですね。いままで1日1個とされていた卵が、何個でも食べていいことになったのです」

 

写写丸もケトン体食を試した結果、たった6日間で血糖値は10減、体重は1.7キロ減。ケトン体数は2600に跳ね上がった。唯一、不安なのが糖質を摂らないと脳が働かないのではないかという点だ。

 

「それは杞憂。むしろ、脳はケトン体が大好きで、糖質よりもエネルギー源としてふさわしいんです。小児の重症てんかんや、認知症、アルツハイマー病など、脳の萎縮や退化の症状にケトン食が有効なのは、その証明です」

 

(FLASH 2016年1月5日・12日号)

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