「ダイエットを成功させるうえで重要なのは食事量です。もちろん消費する以上に、摂取しなければ、運動しなくても体重は減っていきます。しかし、それがわかっているにもかかわらず、ついつい必要以上に食べてしまうのは、“満腹ホルモン”であるレプチンが減少していることが原因なのです」
そう語るのは、ホルモン療法の第一人者であり、オルソクリニック銀座院長の藤森徹也先生。レプチンは食事を始めてから20分ほどたつと分泌される。それが脳の満腹中枢を刺激すると、「おなかいっぱい」と感じられ、食べすぎを防ぐことができるのだ。だが、このレプチンはストレスや過度のダイエットなどが原因で分泌量が減ってしまうという。すると適量を食べているのにもかかわらず、満腹感を感じず、その結果、ドカ食いしてしまうことに……。
では、レプチンをきちんと分泌させるためには、どうすればいいのか?藤森先生が着目したのはツナ缶だった。
「満腹ホルモンは睡眠中に増加します。アメリカのスタンフォード大学の研究によれば、睡眠時間が長いほど、満腹ホルモンの分泌量が増加していました」
とはいえ、ただ長時間寝ていればよいというものではなく、タンパク質をしっかり摂取することで、分泌が促されるという。
「タンパク質には動物性のものと植物性のものがありますが、レプチン分泌のために必要なのは動物性タンパク質。でも、特にダイエット中は、カロリーが高い牛肉や豚肉は控えたいところですよね。魚はおススメですが、『焼いたり、煮たりするのが面倒』という声もあり……。大事なのは持続することですから、手軽に摂取でき、効果が高い食材という条件で、たどり着いたのがツナ缶だったのです」
確かにツナ缶なら高タンパクなうえに低カロリー。もちろん卵や乳製品でも同じようにレプチンの分泌は促されるというが……。
「日本人の場合、卵や乳製品は体にアレルゲンが蓄積され、遅延型アレルギーを発症しやすいという傾向もあります。“毎日食べる”という条件なので、このダイエットには不向きだと判断しました」
ちなみにツナ缶であれば遅延型アレルギーにはなりにくいという。
「ツナ缶には低カロリーのノンオイルタイプがありますが、EPAやDHAなどの血液をサラサラにしたり、悪玉コレステロールを低下させたりする不飽和脂肪酸・オメガ3が取れるのでオイルタイプでもOKです」
食べる量は1日2缶が目安。だたし1回の食事で2缶食べるのではなく、朝と昼、昼と夜など、間隔を空けて食べること。また、就寝の2時間前くらいまでに食べたほうがいいそう。
「ビタミンCと一緒に食べるとタンパク質の利用効率が上がります。簡単なのは、食べながらコップ1杯程度のレモン水を飲むことですね」
一般的には3週間ほどで効果が表れるそうだが、女優・東てる美もテレビ番組で3週間挑戦した結果、2キロ近く減量できたという。毎日同じものを食べても飽きないという人には、まさにピッタリかも。