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「激しい運動をしたり、厳しい食事制限をするダイエットや健康法より、ストレスフリーで飽きずに続けられるほうが、効果が持続します。私が考案した『7秒かけて座るだけダイエット』は続けやすく理にかなった方法です」

 

糖尿病・ダイエット外来の専門医、工藤孝文先生はこう話す。このダイエットでは、激しい運動やつらい食事制限をする必要はなく、「2カ月で15キロ減った」「ウエストが10センチ以上小さくなった」などの反響が患者さんから寄せられているのだという。

 

肥満の原因は、消費カロリーに対して、摂取カロリーが多いこと。人間の体は、30歳あたりをピークに基礎代謝が衰えていくが、食事や間食は変わらずにしっかり食べ続けていると、消費カロリーが少なくなり、カロリー過多となる。

 

「私たちの体のエネルギーの約60%は基礎代謝、約10%が食事の消化に、残りの約30%が運動などの身体活動で消費されます」(工藤先生・以下同)

 

基礎代謝というのは、心拍、呼吸、体温維持など、ただ生きているだけでも体が必要とするエネルギーで、何もしなくても消費されるものだ。

 

「次に多いのが約30%のエネルギーを費やす身体活動によるもの。これはNEAT(ニート、Non-Exercise Activity Thermogenesis)とも呼ばれます。ニートは特別な運動でなくても、家事や通勤、階段の上り下りといった日常動作でも消費されるものです。残りの10%は食事の消化、吸収に取られます。この中で筋肉量が関係しているのが基礎代謝とニートです」

 

筋肉は体の動きと関係しており、体を動かすとそれだけエネルギーを消費してくれる。

 

「国際的な研究では肥満の人ほど座っている時間が長く、ニートが少ないことが明らかになっています。この2つに着目して、『7秒かけて座るだけダイエット』を考案しました」

 

立つ座るという動作は一見、単純に思われるが、誰もが日常的に確実に行っている動作でもある。

 

下半身には全身の約60~70%の筋肉がある。特に太ももからお尻の周りは筋肉が集中している部分。この部分の筋肉を鍛えることで、ニート、つまり、身体活動による消費カロリー量が増加、体が締まってウエストダウンや体重減が可能となる。

 

メリットはこれだけではない。

 

今は、人生100年時代といわれているが、一方で、高齢になるほど重要になってくるのが足腰。丈夫な足腰でないと、長生きしても、自力で立って歩くこともままならない。いくつになってもシャンと立って歩くために下半身を鍛えることが必要。その点、この動作はダイエットのみならず、高齢になっても健康に過ごすためのエクササイズにもなる。やり方は簡単。

 

■基本動作・1日10回を2日に1度

 

【ステップ1】
背筋を伸ばし、脚を肩幅よりやや広げて、椅子の前に立つ。両足の先はやや外側に向ける。両腕を肩の高さまで上げてまっすぐ伸ばす。目線は前方に向ける。

 

【ステップ2】
背筋と両腕は伸ばしたまま、7秒数えながらゆっくり椅子に座る(座る位置は座面の前側1/3)。このとき重心はかかとに乗せる。椅子にお尻がついたら、1秒で立ち上がる。再びステップ1に戻り、10回繰り返す。

 

何はともあれ、まずは試してみよう!

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