やみくもに体重を落とすのではなく、きちんと食べて筋肉をつけ、メリハリのある体を作るダイエットが注目され始めている。
「人はガマンすればするほど食欲が加速し、結果的にドカ食いをしてしまいがち。つまりはダイエットにとって逆効果です。それに、空腹状態になると交感神経が緊張してストレスホルモンが分泌され、血行不良、動脈硬化、頭痛、肩こり、冷え性など、さまざまな不調が起こりやすくなる。健康を維持しながらやせるためにも、おやつを食べることは有効です」
そう話すのは医学博士の池谷敏郎先生。とはいえ、やみくもに食べていいはずはない。“おやつの条件”とはどんなものだろう。
「3食をきちんと食べていることが前提ですが、現代の生活スタイルだとどうしても夕食の時間が遅くなり、昼食との間があく傾向にあります。ですから、夕方の17時前後がいちばんおなかのすく時間。ここでおやつを食べておくのが理想的です。このときとるべきなのが、まずはタンパク質。肉類や魚介類、豆類、乳製品に含まれる栄養成分で、筋肉の生成にかかわり、脂肪が燃えやすい体をつくってくれます。それから、野菜やフルーツに多く含まれる食物繊維。体内に滞った老廃物を流してくれるほか、脂肪燃焼をサポートしてくれるので、こちらもダイエットに欠かせない栄養成分です」(池谷先生・以下同)
厚生労働省の調査によると、2つとも美容と健康に欠かせない栄養でありながら、多くの人が不足しているという。だから意識的に、積極的にとる必要がある。
「そこでおすすめしたい食材が、その両方を含む大豆などの豆類。実際、私がダイエットに成功したのは、大豆のおかげといっても過言ではありません。これをベースにして、同じように不足しがちなビタミンやミネラルをうまく組み合わせるといいと思います」
夜に小腹がすいたとき、罪悪感しかなかった「夜食」も上手にとることで無理なくやせることができるという。そんな夜食におすすめの「ダイエットおやつ」を紹介。
【蒸し大豆入りスープ】
植物性タンパク質、食物繊維、女性にうれしいイソフラボンが一度に摂取でき、腹持ちもいい蒸し大豆はなによりのダイエットフード。即席のカップスープに加えるだけでも。
【青魚のトマトパッツァ】
青魚にはタンパク質のほか、脂肪の分解を促進するオメガ3系不飽和脂肪酸がたっぷり。美的栄養成分が豊富なトマトとは味の相性も抜群なので、作りおきしておくと便利。
【きのこのバターしょうゆソテー】
きのこをバターで炒め、しょうゆで調味。低カロリーで、糖の吸収を抑える食物繊維が豊富なきのこなら、夜でも安心。うまみも強いので、満足度が高い。皮なし鶏肉を加えても。
「NGなのは糖質。血糖値が急上昇し、脂肪をため込みやすい体をつくってしまいます。空腹時は特に危険なので、たとえ少量でも、あめやチョコレートで空腹をしのぐのは避けてください」