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「食事制限によるダイエットは、その種類を問わず、長く続けていると体重が思うように減らなくなる時期がやってきます。いわゆる『停滞期』ですが、これを“爆食い”によって解消することができるのです」

 

そう教えてくれたのは、スポーツドクターとしてダイエットやボディメイクに詳しい栗原隆先生。ダイエット中に爆食い? にわかには信じがたい話だが、そのメカニズムをうかがった。

 

「停滞期は、人間の体に備わっている『ホメオスタシス』という機能によって起こります。たとえば、熱を持った体温を下げるために汗をかく、走って酸欠になった体内に酸素を取り入れようと呼吸が荒くなるなど、生命を維持するために自動的に働くシステムです。長期間、食事制限を続けている場合もこの機能が働き、脳が『飢餓状態に入った!』と判断するため、少ないカロリーでも生命が維持できるよう節約モードに入るのです。つまり、制限しているにもかかわらず、それでやりくりできる体になる=少ない摂取カロリーがいつしか適正量になってしまう。だから、体重がそれ以上減らなくなるのです。これを解消するには、『飢餓状態じゃないよ、どんどん代謝しても大丈夫だよ』と脳に認識させる必要があります。そこで、一時的に爆食いするわけです。これを『チートデイ』と呼びますが、“チート”とは“だます”の意。脳をだまし、節約モードを解いて、再び体重が減るように仕向けるのです」(栗原先生・以下同)

 

とはいえ、どんなものでも食べていいのだろうか。

 

「チートデイは1日3食、好きなものを食べてかまいません。食物繊維→タンパク質→脂質→糖質など、ふだん“食べ順”を意識している人も多いと思いますが、それすらしなくてOKです。ただし、1日だけ。何日も続けては逆効果ですし、当然のことながら、停滞期に入っていなければただの暴飲暴食で、太る一方です。間隔は、少なくとも1週間はあける必要があります」

 

この方法は誰にでも効果があるのだろうか?

 

「ゆるやかなダイエットでは、そもそも停滞期がこないし、ストレスもたまりづらいので、『チートデイ』を設けても効果は期待できません。厳しいダイエットをしている人ほど、そのごほうびが大きいということです。効果を期待するなら、特別なトレーニングをしていない女性の場合、食事や運動で1日に200〜300キロカロリーを減らすことを目標にしてください。基礎代謝に対して、1日にその程度のカロリーを下回ることができれば、だいたい1カ月に1キログラムの体重減が見込めます。ただ、食事制限のみのダイエットは、筋肉が落ちて基礎代謝が低下し、リバウンドしやすい体になってしまいます。適度な運動を取り入れることをおすすめします」

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