緑茶にレモン果汁を入れて飲むだけ。この単純極まりないやり方で、やせるというから驚きだ。実はレモンと緑茶には、やせホルモンの分泌や脂質代謝を活発にする働きがあったーー!
「私たちの体は、ストレスが増えるとセロトニンが不足し、糖質を欲するようになります。さらに、人と交流するなどの楽しみが少なくなることで、ドーパミンの分泌が減り、脂っこいものを欲するようにもなります。また、ストレスを感じるとコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールは筋肉を脂肪に変える働きがあるのですが、ストレスを感じるたびにコルチゾールが分泌され、筋肉が脂肪に変わっているのです」
そう話すのは、福岡県みやま市の工藤内科、工藤孝文副院長だ。
コロナによる自粛要請が長期化していることで、ストレスを抱える人が増えているが、そういうときについ行いがちな発散方法が過食。脂っこいものや甘いものを食べる頻度が上がるのに加え、外出控えで運動不足になり、どんどん体重が増えていくという悪循環に心当たりのある方も少なくないだろう。
なんとかこの傾向を変えたいが、なかなか難しい。工藤先生も自身の25キログラムの減量経験からそれを実感しているという。
「食事や生活を大きく改善することが難しいのは、私自身の体験からも理解しています。無理なく体重を減らすには、そのダイエット方法を日常生活の中に習慣として組み込んでしまうことです。そのためにも、ダイエット法は簡単で手軽であることが秘訣です」(工藤先生・以下同)
そこで工藤先生が提案するのが「レモン緑茶」。緑茶にレモン果汁を足すという、極めてシンプルな方法だが、確実に効果を出してくれるのだそう。作り方は、レモンをしぼって、大さじ1杯の果汁を緑茶に入れてできあがりと簡単だ。
〈材料〉
レモン果汁…大さじ1
緑茶…150ミリリットル
※緑茶は急須で作っても、ティーバッグにお湯(70〜80度)を150ミリリットルそそいで作っても可。レモン果汁は市販のもの、緑茶はペットボトルでもOK。
レモンと緑茶に共通している働きに“やせる作用”があるという。
「アディポネクチンという通称“やせホルモン”と呼ばれる物質は、脂肪を燃焼する働きがあるのですが、日本一のレモンの産地である広島県で行われた調査では、レモンの摂取量が多い人ほど、アディポネクチンの血中濃度が高いことがわかっています」
さらに、レモンの酸っぱい刺激は交感神経を高めて満腹中枢に働きかけ、空腹ホルモンの「グレリン」を抑え、満腹ホルモンの「レプチン」の分泌を促す作用もあるという。
「緑茶に含まれる茶カテキンとカフェインにも脂質代謝を活発にする働きがありますし、緑茶を継続的に摂取することで、腸内の善玉菌が増加して腸内環境が整う効果もあります。つまり、便秘解消にもきくというわけです。実際、私の患者さんのなかにも、レモン緑茶を飲み続けて、便秘が改善され、2週間で7キロやせたという人がいます」
レモンにはビタミンCが豊富なことは周知のとおりだが、緑茶にもビタミンは豊富だ。
「茶カテキンはビタミンCの約90倍、ビタミンEの約23倍の抗酸化力があるといわれています。抗酸化力をつけることで、体の内側から若返ることができ、免疫力もアップします」
茶カテキンがもっともよく抽出できる温度は20〜82度。緑茶を入れるお湯の温度は70〜80度くらいにしよう。夏になると、常温の水からじっくりと抽出する冷レモン緑茶にしてもいい。
食前の20〜30分前にレモン緑茶を飲んでおくと、食事前に満腹中枢を刺激し、食べすぎを防ぐことができる。もちろん食前以外でもいつ飲んでも、何杯飲んでもいい。
ちなみにペットボトルの緑茶にはカテキンがすでに含まれているので、そこに液体のレモン果汁を混ぜるという方法でもいいそうだ。
「女性自身」2021年6月1日号 掲載