今年還暦を迎えた吾郎さん。夏は蒸し風呂状態、冬にはしもやけのできるお店で、朝3時起きで頑張りながら、去る11月には同じ場外市場に『若葉』2号店を出した。切り盛りするのは息子さん。父と同じく、脱サラしての築地入り。本店とは趣きを変え、三ツ星割烹の板前さんを迎え、海鮮丼と讃岐うどんで勝負する。計らずも親子3代、築地で生きることとなった。

 「息子も私と同じで、最初そのつもりはなかったようだけどなんでしょう、ご先祖様のお導きですかねえ(笑)?」

 2012年には豊洲への移転が予定されている築地市場。しかし場外市場はこの先も、今までどおり営業を続ける。

「現在、場外には約360名の組合員がいるのですが、うち220〜230は飲食店。6〜7年前は30なかったんですよ。お寿司屋さんなんて、1軒しかなかった」

 女子供の入れない土地から、グルメな観光名所へ。ありようを変えた築地の場外市場は、独自の発展を続けていくのかもしれない。

「やはり皆さん、魚を求めてここには来るでしょうから、新たに鮮魚市場を周囲に作る青写真はできているんです。でもひとつの商店街の力はたかが知れている。やはり区や都にも、もっと積極的に協力していただきたいですね」。

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