「病院食、減塩食というと、まずい、水っぽいというイメージ。患者さんのためにわざわざ別メニューを作っているご家庭も多いですが、『八方だし』を軸にしたこれらの料理は、ご家族全員で楽しめます」

 

と話すのは、国立循環器病研究センター(大阪府)で調理師長を務める竹田博幸さん。元京料理職人だった経験を生かし”減塩なのにおいしい”レシピを考案。その『国循の美味しい! かるしおレシピ』(セブン&アイ出版)が、発売4カ月で30万部に迫るヒットに。そこで、おいしい”脱塩”の掟を伝授してもらった。

 

【これが基本! 国循式「だし汁」「八方だし」を冷蔵庫に常備する】

・だし汁の作り方

水1.8リットルを沸騰させたら、火を止め、約20gの削り節を入れる。削り節が沈んだら、軽く混ぜて30秒ほどおく。ざるにキッチンペーパーをしいて、削り節をこしてゆく。

 

・八方だしの作り方

1.3リットルのだし汁に、砂糖30g、薄口醤油1/4カップ、塩6gを加えて、ひと煮立ちさせたら、すぐに火を止める。

 

・下ゆで用八方だしの作り方

八方だしとだし汁を2対1の割合であわせたもの。肉の炒め物や煮物などを作る場合、あらかじめ素材をこのだしで下ゆでしておくと、余分な脂肪がカットできる。

 

【野菜の煮物は八方だしと食材をベストの比率で】

一人分の比率は、野菜20gに、八方だし13cc、薄口醤油1cc、みりん1ccが基本。大根や人参など硬い食材はあらかじめ下ゆでしておく。味をしみ込ませるため、沸騰させず、10分ほど弱火で炊き、火を止めて味を含ませるのがポイント。

 

【塩の使い方と脱塩処理】

魚の塩焼きなどは、直接塩をふらず、ポリ袋に入れた塩水にしばらくつけて、キッチンペーパーで拭き取ってから焼くこと。また、漬け物、加工品の塩分を抜くだけで20~30%が減塩できる。ハムはひと煮立ちさせ火を止め漬けておく(沸騰させるとうまみも抜けるので注意)。

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