「作りおきをしていたものを朝に詰めるだけ」のお弁当が大はやりだけど、それでも“考えて詰める”過程で10分はかかるもの。もっとラクにするために、お弁当ごと“まるごと冷凍”のご提案!
「作って詰めたら、まるごと冷凍。忙しい主婦の朝に余裕ができますよ」
そう語るのは、インスタグラムに上げている“家ごはん”が人気のMAYAさん(@heavydrinker)だ。インスタグラムに上げていたお弁当が『まるごと冷凍弁当』(宝島社)にまとめられると、フォロワー数が急増。現在は17万人を超えている。
夫と3人の子どもの5人家族だが、1年前に夫が長期単身赴任に。一人暮らしを始めた夫に食事を送るようになったのが、冷凍弁当開発のきっかけだという。だが、初めは失敗ばかりだった。冷凍弁当の大敵は「味の劣化」と「解凍ムラ」。
「最初はごはんがうまく解凍できずボソボソの食感になってしまったり、ほかのおかずはホカホカなのに、大きいハンバーグの中心だけ凍ったままだったり……。レンジで均一に解凍するにはコツがあることがわかり、試行錯誤しました。夫からの『今日の弁当は3分温めたら、ハンバーグだけが冷たかった』などのフィードバックをもとに改善していきました」(MAYAさん・以下同)
こうして編み出された「まるごと冷凍弁当」のコツを、具体的に解説。
■ごはんとおかずを一緒に詰めた「1個弁」
MAYAさんは、メニューによって容器を1個で完結する『1個弁』と、ごはんとおかずを別々に詰める『2個弁』を使い分けている。
まず、1個弁。ごはんに主菜+副菜2品、またはごはんに同量のおかずをのせる丼スタイルだ。主菜に合わせ、栄養バランスのよい副菜をチョイスしよう。おかずを冷ましたあとは、しっかり汁気を切ること。
「汁気が残ったまま冷凍すると、解凍時に味が薄まります。また、汁が弁当箱全体に回り、腐りやすくもなります」
詰め方のコツは、ごはん1:おかず1。弁当箱の半分に冷ましたごはん、残り半分に冷ましたおかずを詰める。おかずは主菜1:副菜1。このバランスなら、均一に解凍できるのだ。
「温めムラを防ぐため、副菜は2種類まで。メーンのおかずは食べやすいひと口サイズにカットし、均一に解凍できるようにします。ごはんはふんわり詰め、おかず同士は少し隙間ができるくらいに」
■ごはんとおかずが別々の「2個弁」
さらに時短できるのが2個弁だ。ごはんもおかずも、多めに作ったときに、別々に冷凍しておけばいい。
「カレーやシチューなどの煮込み料理や汁物でも大丈夫。ただし、市販のルウは油分が多くて容器が溶けやすいので避けたほうがベター。ポイントは、ごはんとおかずの容器に同じものを使うことです」
同じ容器で、量も同じにすれば、電子レンジで2個同時に解凍しても均一に熱が入る。
「2個弁のごはんは、炊きたてを温かいまま容器に入れ、フタをしておきましょう。内側に水滴がつきますが、解凍したときにその水分がごはんをふっくら仕上げてくれます。ただし、冷凍するのは容器が十分に冷めてからです」
■冷凍弁当の3大奥義
冷凍弁当は、電子レンジで解凍することで完成する。加熱することを見越して、キャベツなどの葉もの野菜は軽く炒めるだけでいい。食材によっては、解凍したときにフニャフニャにならないよう短時間調理を心がけよう。また、こんにゃくやじゃがいもなど、水分の多い食材は解凍したときに味が落ちるので、そのまま使うには不向きだ。
そして“急速冷凍”も大切なポイント。アルミのトレーにのせるか、弁当箱をアルミホイルで包んで冷凍庫に入れると、食品の細胞が壊れず、おいしいまま冷凍できる。
また、ランチに持たせる場合は、必ず当日の朝にレンジで解凍すること。自然解凍ではごはんがまったく戻らないし、ゆっくり解凍されることで水分が弁当全体に回り、食中毒も出てくる。
「これからの季節、ランチに持たせる場合は2個弁がおススメです、朝、レンジで解凍したら、フタを外して冷ましましょう。フタの裏の水分を取ってから、保冷剤をつけて持たせれば安心です」
冷凍弁当で“朝の余裕”を手に入れよう!!