「日本食の場合、世界的にヘルシーだと人気になっています。たしかにカロリーは低いです。ところがもともと塩分が高いため、脳卒中や心筋梗塞の原因である高血圧患者が多いですし、食品のバランスがあまりよくないという側面もあります」

 

こう語るのは、東京大学医学部(国際保健政策学)教授の渋谷健司先生だ。長寿国と思われている日本だが、健康で生きられる期間(健康寿命)を考え合わせて「単純計算すると、日本人は寿命で亡くなる前の10年以上も、何らかの障害や病気に耐えながら生活しているということ」(渋谷先生)になるそうだ。

 

このような調査結果をもたらしたのは、欧米化、生活スタイルの変化、日本食そのものの変化だという。渋谷先生は続ける。

 

「今年の春に発表されたスペインの調査では、あまりカロリーを気にせずナッツと地中海料理を食べる群、オリーブオイルと地中海料理を食べる群と、低脂肪料理を食べる群を比べたところ、地中海料理を食べる2つの群のほうが、心臓病のリスクが30%も下がるという結果となりました」(渋谷先生)

 

地中海料理は世界的にも、健康食として注目されている。管理栄養士で国際薬膳食育師のコーゲヨーコさんはこう言う。

 

「地中海料理で使われるエビやカニ、赤色や黄色のパプリカなど色の濃い野菜にはファイトケミカルという成分が含まれ、動脈硬化、老化やがんの原因となる活性酸素を抑える働きがあるといわれています」

 

また、スペインでの実験ではナッツやフルーツは健康に有意という結果も出たそうだ。ところが日本の食文化の中では、欧米に比べて摂取する機会が少ない、と渋谷先生。コーゲさんも次のように言う。

 

「落花生やアーモンド、カシューナッツは、日本人に不足しているといわれるマグネシウムを多く含有しています。昨年の糖尿病学会では、マグネシウム不足が糖尿病と関係しているのではないかと話題になり、注目されています。また、フルーツに関しては酵素が含まれており、これが血行をよくし、アンチエイジング効果も期待出来ます」

 

日本食中心だから、と安心しないで、地中海料理やナッツ、フルーツにも注目すべき時かもしれない。