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「この時期は、ふだんは出回らない天然のなめこや、天然のほんしめじなども買うことができます。そういう意味でもきのこの旬は秋です。きのこは、ビタミンやミネラルなどの栄養を豊富に含んでいる食材です」

 

こう話すのは、料理研究家・栄養士の成田和子さん。秋を迎えて、おいしさを増すきのこ類。栄養も豊富というきのこだが、ひとくちに“きのこ”と言っても、種類によってその効能はさまざまだ。

 

「きのこには不溶性食物繊維も多く含まれているので、腸の働きも活発化して、便通もよくしてくれます。さらに低カロリーですから、ダイエット中の女性にもおすすめです。おいしいだけではなく、女性の美をサポートしてくれる食材なのです」(成田さん・以下同)

 

「不溶性食物繊維」ランキングの1位は、原木栽培のしいたけ(含有量5.1g)。原木栽培は天然木に菌を植え付けて栽培する方法で、いっぽうの菌床栽培は、おがくずに米ぬかなどを混ぜた人工の菌床を使用する方法だ。菌床栽培のしいたけ(含有量3.8g)でもランキング4位になっている。

 

「ビタミンDは、カルシウムの吸収を高めますから、骨を強くし、骨粗しょう症を予防します。またカリウムは、体内の塩分を排出する働きがあるため、高血圧やむくみ解消に効果を発揮します」

 

「ビタミンD」ランキングの1位はまいたけ(含有量4.9g)、「カリウム」ランキングの1位はまつたけ(含有量410μg)。「鉄分」ランキングでもまつたけ(含有量1.3mg)は1位! 高血圧も貧血も同時に予防できるなんて、さすがに高価なだけはある……。ちなみに中国では、きのこは古くから生薬として利用されており、その用途も細かく分かれていたという。

 

’15年度の厚生労働省の調査によれば、47都道府県で、死亡率がもっとも低かったのが長野県。長野県はがんによる死亡率も低いが、その“健康県”の秘密の1つが、きのこの摂取量の多さだといわれている。

 

’98年から’02年にかけて、国立がん研究センターと長野県内の病院が、きのことがん死亡率との関連を調査した。すると、えのきだけやぶなしめじを「ほとんど食べない人」に比べて、「週3回以上食べている人」の胃がんや大腸がんリスクが低かったのだという。

 

「最近特に注目を集めているのがβグルカンです。腸内の免疫細菌にダイレクトに働きかける食物繊維の一種ですが、インターフェロンというタンパク質の生成を促進したり、免疫機能も高めてくれたりするので、そのためインフルエンザ予防効果や抗がん効果も期待されています」

 

βグルカンは制がん剤として厚生労働省認可の医薬品に利用されている。

 

「βグルカンは、前述の『しいたけ』や『まいたけ』『まつたけ』、また『えのきだけ』や『ぶなしめじ』『なめこ』などにも含まれていますが、なかでもβグルカン含有量ナンバーワンなのが、英語でカリフラワーマッシュルームと呼ばれる『はなびらたけ』です。8〜10月が旬で、カラマツ林に自生する白いはなびらのような形が特徴のデリケートなきのこです。はなびらたけに次いで、βグルカン含有量が多いのは、『たもぎたけ』。黄色いきのこで、おもに東北や北海道などで栽培されており、加熱すると白っぽくなります。いずれもスーパーではあまり見かけませんが、デパートなどでは販売されています」

 

今夏が長雨続きだったため、きのこは豊作が期待されているそう。栄養が豊富なうえ、さらに値下がり!? と、食卓の優等生ぶりをますます発揮しつつあるきのこを、ぜひ献立に取り入れよう。

 

※すべて生100gあたりのデータ 1g=1,000mg 1g=1,000,000μg

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