インドで生まれたカレーが英国を経由し、日本に伝わったとされるのは明治時代。その後、独自の進化をとげたジャパニーズ・カレーは世界の人々をも魅了し、今年は「カレーハウスCoCo壱番屋」が、ルーツであるインドに初出店したことでも話題になった。
言うまでもなく、今やカレーは国民食。ここ最近のスパイスブームで、独自にブレンドしておいしさや健康を追求するのがはやっているとはいえ、やはり“おうちカレー”といえば、市販のルウを使うのが主流。材料を炒めて煮込むだけで安定のおいしさに仕上がるという、忙しい主婦にとってもありがたい料理である。
が、ただひとつ、気になるのが栄養面。管理栄養士の浅野まみこさんによると、一般的なカレーの主栄養は脂質と糖質で、バランスの点ではいまひとつだそう。
「そこで、手軽に解決できる方法がトッピングです。一般的な材料は、肉類、玉ねぎ、じゃがいも、にんじんですよね。ここに、栄養バランスを上げるために足したい栄養素は6つあります。まず、私たちの血となり肉となり、さらに代謝を上げてくれるタンパク質。すでに肉類を入れているので意外に思われるかもしれませんが、量としては残念ながら不足しています。次に、丈夫な骨に欠かせないカルシウム。続いて、栄養の吸収をサポートし、美肌にも欠かせないビタミンC。そして、抗酸化作用で体を修復するビタミンAとE。最後に、今の時期には特に大切な免疫力を高めるビタミンDです」
なんだかたくさんあって大変そうだが、浅野さんによると、ルールさえ覚えれば、今日から始められるほど簡単だという。
「順番が逆になりますが、まずはビタミンD。きのこの中でも特にまいたけ、次にしめじに多いので、ベースを作るときに加えましょう。うまみがあるので、味が深まる利点もあります。タンパク質は肉や魚介、卵、大豆製品と幅広いので、食材選びに困りません。裏技的ですが、ごはんを豆腐に代える手もあります。ビタミンAとCは緑黄色野菜をのせればOK。カルシウムは乳製品や小魚、ビタミンEはナッツ類やオイル。ほら、簡単でしょ? 小魚はスナック系にもありますよね。それに、食材には今回ポイントにした栄養だけではなく、ほかの栄養も含まれるので、さらなる相乗効果が期待できるんです。食感や風味も広がって、おいしくなりますよ」
「女性自身」2020年9月8日 掲載