■子育て、仕事、栄養を考えた献立ーー世のママは大変!
そんななかでも、やはり悩みは尽きない。子供に栄養のあるものを摂ってもらいたい一方で、夫に栄養を摂らせすぎるわけにもいかない。
「夫が現役のころ、遠征先から戻ってくる日には野菜たっぷりの豚汁を作っていたものでした。遠征先で野菜を食べていなかったそうでしたし、水溶性のビタミンも摂ってもらえるし、私が忙しくても作れましたから。飽きないように、2日目には練りゴマをたくさん入れて、疲労回復に効果があるビタミンB1や鉄分、カルシウムなどが摂れるようにしながら“味変”して、それでも余ったら和風のカレーに作り替えたりしました。
ただ、主人は引退後に食習慣を変えざるをえなかった。野球選手って、引退すると太るもので、ウチの主人もそれを気にして、『なるべく低糖質に』と言うんです。選手のころは、運動後のお米の糖質は筋肉のケアにすごく大切なものですが、現在では運動量も減るので、同じように食べてもらうわけにはいきませんよね。
でも、作る側からしたら大変です。子どもが好きなものは、チーズが入ったハンバーグ。夫もハンバーグが好きなんですけれど、たくさん食べさせるわけにはいかない。そこで、つなぎのパン粉を高野豆腐に代えて、低糖質化してたんぱく質が増えるように工夫しています。
あとは、副菜を増やして少しでもお腹がいっぱいになるようにしたり、食物繊維の多い料理から出してあげたり、油分を落とす蒸し料理にしたり、大豆系の食物をなるべく使ったり……。ちょっとした工夫をすることが増えましたね」
子育てと仕事を両立しながら、栄養面を考えた食事を作るーー。これは簡単なことではないと、亀井さんは強調する。
「フルタイムで働いている世の中のママは大変です。帰宅したら、子供の世話や家事に追われる。ウチの場合、掃除は主人が率先してやりますが、そうでないご家庭もあるでしょう。そんななかでも、子供には栄養のあるものを食べさせたい。ママ友と集まると、そんな話題になるものでした。
特に、子供にスポーツをさせている親は、子供が食べるものについてすごく気にされる方が多い気がします。栄養面をどういうふうに気にして料理を作っているのか、よくママ友に聞かれるんです。
そんな状況でしたし、コロナ禍で始めたお菓子作りでふと、“アイスに栄養を足したらどうだろう”と思いついたんです。食が細かった息子も、たしかにアイスならよく食べていました。どうせなら、美味しくて栄養がしっかり取れるものを作ろうと思いついたんです」