原材料の高騰などにより値上げが相次ぐ昨今。価格はそのままで内容量が少なくなる、いわゆる“シュリンクフレーション”する商品も多い。
そんななか、SNSではある商品の“減ってる感”に嘆きの声が相次いでいる。その商品とは、「プリングルズ」だ。
プリングルズは髭のマークと、円柱型の缶が特徴のポテトチップス。日本では1994年から正規販売が始まり、サワークリーム&オニオン味が人気を博している。しかし現在Twitterでは、プリングルズを開けた瞬間の写真とともに、驚きの声がこう上がっているのだ。
《久々大きいプリングルス買ってんけど…最初からこんなに隙間空いてるのショック…》
《プリングルス久し振りに買ったけど量減った?もう少し入ってたような気がするが》
《開けた瞬間メッチャがっかりした》
《プリングルス超久々に買って開けたら中身少な!と思ったんだけどこんなんだっけ?上の方ほぼ空洞やん》
《久しぶりにプリングルス食べたんだけど、開封時に「え?誰かもう食べたの?」という感想を抱く…内容量減った?》
パッケージの大きさに対し“思ったより入っていない”と感じる人が多いようだ。投稿されている写真を見ると、確かに上部に余裕があるように見える。実際に110g入りの商品を購入し、確認してみると容器の上部からチップスまで5〜7センチほどの空間があった(容器の高さは21センチほど)。
商品量に対し、不釣り合いにも見えかねない容器のサイズ。本誌は、プリングルズを販売している「日本ケロッグ」に取材をすることに。Twitterの声を紹介したうえでなぜ容器のサイズが変わっていないのかを尋ねると、担当者はこう回答した。
「プリングルズの内容量に関してですが、2015年9月販売分より変更していない状況でございます。チップスの大きさに関しましても、変更はございません」
なんと、そもそも内容量自体はこの7年で“変化なし”とのことだった。そのいっぽうで、担当者はこう続けた。
「プリングルズは、商品出荷時に重量測定を実施しており、規定値以下のものは出荷されないように管理致しております。しかしながら、製造工程上、若干チップスの厚みや揚げる工程により大きさに差が出たり、輸送時における底の一部チップス砕けなどにより、容器内の空間が変わってくることもございます。
今回、お客様からのご指摘にございますように、製品の一部に、缶を開けた際の空間率が大きくなってしまっているのは、この可能性も要因の一つではないかと考えております」
容器の上部の隙間が大きくても、重量自体は変わらないという。さらに、容器の形についても理由があるという。
「プリングルズの缶の形態やサイズにつきましては、持ち運びなどで喫食することも考慮し、品質保持、気密性を高めるべく現在のものとなってはおりますが、今回お客様から頂いております貴重なご意見も踏まえ、今後の製品開発に活かして参りたいと思います」
また、担当者は「2015年9月販売以降、価格や内容量について維持をしてきた弊社商品ではありますが、近年の原材料価格の大幅な上昇、並びに資材費やエネルギーコストなどの高騰をうけ、2022年9月中旬より順次、内容量と缶サイズの変更を予定しております」と明かした。
「お客様のご期待に添えない結果となってしまった事実につきましては真摯に受け止め、今後の商品開発に活かしてまいりたいと思っております」という日本ケロッグ。プリングルズのこれからを模索しているようだ。