緑茶やコーヒーをたくさん飲む人は、脳卒中の発症リスクが低くなるーー。
3月15日、国立がん研究センターと国立循環器病研究センターの合同チームがこんな研究成果を発表した。調査は’90年代後半にスタート。東北から沖縄に住む45〜74歳の男女計8万2,000人を平均13年間追跡し、緑茶やコーヒーの摂取量が脳卒中の発症率に関係するかをしらべた。
その結果、緑茶を毎日2〜3杯以上飲む人は、まったく飲まない人に比べて14〜20%も脳卒中の発症率が低下。また、毎日コーヒーを1杯以上飲む人も、20%発症率が低かったという。
これまで「脳卒中やがんを予防する」との触れ込みでブームになった食品は数知れず。だが、その効果はどこまで医学的に立証されているのか?どれが”最強”なのか?がん専門医、東京『健康増進クリニック』の水上治院長に聞いた。
「米国の国立がん研究所が発表している『デザイナーズフーズ・プログラム』がありますが、そこで紹介されている食品リストのなかでも、にんにくは最上位。そのほかがん予防の研究成果や論文も多く信頼できます」
東京『くどうちあき脳神経外科クリニック』の工藤千秋院長は、マグロなどDHAや鉄分を多く含む魚介類を推す。
「今年2月には、京大iPS細胞研究所がDHAのアルツハイマー抑制効果を発表しており、ふたたびDHAが脚光を浴びそうです。また、マグロに多く含まれる鉄分は、脳に酸素を運ぶ赤血球の主成分となります。今後『脳卒中を予防する』食品として注目されるでしょう」
つぎつぎに現れる”予防食品”だが、実際にはどんな基準で選べばよいのか?
「信頼の目安となるのは、試験管やマウス実験だけでなく、長年かけて人間を調査追跡した疫学的データがそろっている食品。また、審査が厳格な日本癌学会で発表される研究報告は信頼していいでしょう」(水上医師)