「低気圧だと頭が痛い」「全身に倦怠感があり、憂鬱な気分になる」――多くの女性が経験している不快な症状ですが、これはいったいなぜでしょう?「診察5年待ち」の順天堂大学教授・小林弘幸先生に、その理由と対処法を聞きました。
「原因は2つあります。ひとつは、気圧の低下と湿度の上昇によって、自律神経のバランスが崩れて生じる血流の悪化。もうひとつは、低気圧が引き起こす急激な血管の膨張です。そのため、頭痛や関節痛などを引き起こしてしまうのです。こんなときは、自律神経のバランスを保ってより血流をスムーズにすることが大切です」
まず重要なのが、「どれだけ朝を快適に過ごすか」だという。
「朝はいつもより30分早く起きましょう。早起きすることで、あえてボーッとする時間を作ると、心身に余裕が生まれ、血流もサラサラに。次に朝食。生体リズムをつかさどる時計遺伝子は、毎日スイッチを入れ直さないと、どんどんリズムが狂います。時計遺伝子のスイッチ・オンには、毎朝朝食をとることです。しかも、それなりの量を食べることが重要だと、最近では言われています」
ご飯、味噌汁、のり、焼き魚、卵焼き……旅館の朝食メニューを参考に、なるべく多くの品目を食べ、遺伝子ごと体を目覚めさせることが大切だという。
「そして、この梅雨時期のお出かけは、なるべく荷物を持たないようにしましょう。ただでさえ湿気だらけの満員電車。そこに大荷物で乗り込めば、汗をかく量も増え、不快指数がうなぎ登りし、自律神経の働きは衰え、たちまち血流は滞ります。職場や移動先に着替えを用意しておくのもいいですね。汗をかいたらこまめに着替え、不快さを軽減させましょう」