ここ最近、メタボより怖いと注目を集めている“サルコペニア(筋肉減少)肥満”。その対策として食事はどうすればいいのか。管理栄養士の新生暁子さんによれば「筋肉を作るBCAAを多く含む食材を取るのが効果的」なのだそう。
BCAAとは、筋肉を作るのに欠かせない必須アミノ酸のことで、バリン、ロイシン、イソロイシンという3つの総称をいう。
「BCAAを豊富に含む食材には、マグロやカツオなどの赤身の魚、レバーなど赤身の肉、大豆製品、牛乳などがあります」(新生さん・以下同)
また、BCAAを効率よく取るためには、ビタミンB群が必要だという。
「ビタミンB群を豊富に含む食材は、ごま、きな粉、豚ヒレ肉、玄米などです。ふだんの食事ではBCAAを含む食材をメインにし、白米を玄米に替えるなどの見直しを行ってみるのがよいのではないでしょうか」
さらにBCAAを効率よく取るためのポイントとして、摂取するタイミングは運動の30分前。運動と食事のタイミングがはかれない場合は、朝食に取るといいという。また、サルコペニア肥満の対策として欠かせないのが肥満の解消。
「タンパク質をしっかり摂取することは大切ですが、タンパク質過多になると、脂質も一緒に摂取することが多く見られます。ですから肥満を解消するためには野菜やきのこ類、海藻類などもしっかり摂取することが大事です」
年を重ねれば重ねるほど、いろいろな栄養素をしっかり摂取することが大事なのだそう。まずは1日の摂取できる分量(※目安として30~49歳が1千140カロリー、50歳以上では1千100カロリー)を把握したうえで、活動量の多くなる朝、昼はしっかり食べ、夜は控えめにするなど工夫をしたほうがいいという。
「その際に注意してほしいのが、主食、主菜、副菜、汁物のバランスを考えること。ごはんはお茶碗に軽く一杯。汁物は具だくさんもの、主菜はタンパク質を適量にして野菜をしっかり取れるメニューにし、副菜は小鉢で2品程度が理想的です」
※厚生労働省『日本人の食事摂取基準』より