「(花粉症の)免疫療法はアレルギー体質の根治が期待できる治療法ですが、効果が出るまで何年もかかるのがネック。その点、この『粘膜注射療法』は、即効性があり、くしゃみなら翌日から激減します。鼻水、鼻づまりへの効果も1〜2週間で感じられます。しかも1度治療を受ければ、効果は数年単位で続きます」

 

そう話すのは、アレジオ銀座クリニック院長・呉孟達先生。呉先生が開発した「粘膜注射療法」とは、炎症を起こしている鼻の粘膜に直接注射を打ち、アレルギー症状を大幅に改善するというもの。スギ花粉症だけでなく、アレルギー性鼻炎全般に有効な治療法とされている。

 

現在のところ、この治療を受けられるのは、アレジオ銀座クリニックのみだが、’07年に治療を始めて以来、多くの鼻炎に悩む患者が訪れてきた。粘膜注射は入院の必要はなく、日帰りでの施術が可能。当日は、30分かけて十分に部分注射を行ったあと、本番の注射となる。自由診療のため保険が効かず、治療費は約15万円。

 

重度のスギ花粉症患者という、フリーアナウンサーの石川まさよさんも、この治療を受けている1人。’11年に粘膜注射を受け、現在、免疫治療を継続中とのこと。彼女に、実際の注射体験談を語ってもらった。診察椅子に座って目をつぶっていると、呉先生から「ちょっと痛いからね」と声をかけられた石川さんだったが……。

 

「ちょっとどころじゃなく、私にとってはかなり痛かったです!!麻酔が効いているので、針が刺さる痛み自体はないのですが、エタノールが頭をぐるっと駆け巡って、脳に猛烈に染みる感覚というのでしょうか。玉ねぎを切ったとき、目に染みて痛むことがありますが、それに近い感覚かと思います」

 

呉先生によれば、基本的に注射による痛みは少なく、これまでに痛みで施術を中止した例はないという。ただし、体質的にアルコールに弱い人の場合、その影響で、注射を打った直後に頭や鼻のまわりが痛むことも。どうやら、石川さんもその1人だったようだ。

 

「私は粘膜の腫れがひどかったので、左右の鼻に2本ずつ注射しましたが、注射自体は10分もかからずに終了しました。施術後は、止血のため鼻に脱脂綿を詰めて、個室で待ちます。といっても、うっすら血がにじんだ程度ですが。15分後、念のため痛み止めをもらって、帰宅しました」

 

その後、数日で石川さんの症状は劇的に改善した。以前は鼻炎スプレーが手放せなかったというが、その後は薬なしでも、楽に鼻呼吸ができるようになった。

 

「注射後の3カ月間は、効果を安定させるため薬を飲んでいましたが、今は花粉症のシーズン以外、薬はまったく使っていません」

 

現在、注射して4年近くが経過。それでも、効き目はまだ十分に感じているそう。アルコールで花粉症がよくなるなんて、驚きです!

関連カテゴリー:
関連タグ: