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1年でもっとも寒さが厳しい2月は、膀胱炎や尿モレなどいった“シモの悩み”が増える時期。他人には相談しにくいし、かといって病院に行くのも恥ずかしいし−−そんなデリケートな女性たちのために、女性医療クリニックLUNAグループ理事長で泌尿器科が専門の関口由紀先生が、「尿トラブル」を起こしやすい生活習慣と、その対処法を教えてくれた。

 

【1】尿意があると、行ったばかりでもまたすぐトイレに行ってしまう

 

「尿を我慢すると膀胱炎になると思っている人が多いですが、逆にトイレの行きすぎが原因になることもあります」

 

関口先生がそう話すのは、もっともポピュラーな膀胱炎の「急性細菌性膀胱炎」について。大腸菌などの病原菌が尿道に侵入して膀胱内で繁殖し、排尿時の痛みや残尿感、頻尿などの症状を起こすものだ。女性は尿道と肛門の位置が近く、排尿後に外陰部を拭くとき肛門付近にいる大腸菌が尿道に侵入しやすくなる。免疫力が正常なときは菌を排除できるが、風邪や感染症が流行して免疫力が下がりがちな冬に発症しやすい。

 

「症状を自覚したら無理をせず体をしっかり温め、水をよく飲み排尿で菌を排出すること。受診して抗菌薬を服用すれば、5日ほどで治ります」

 

【2】排尿回数が1日10回以上である

 

「急性細菌性膀胱炎」の症状が消えた後も用心のためと大量の水を飲み続け、頻繁にトイレに通っていると、逆に再発しやすくなる。

 

「治った直後の膀胱の粘膜はまだ荒れた状態。トイレに行く回数が増えれば、それだけ大腸菌が尿道に侵入する機会が増え、再発率も上がります。抗菌薬を飲み切るころには膀胱内の病原菌はいなくなっているので、頻繁に排尿する必要はナシ。排尿回数が1日3〜7回に収まるようにすることが予防になります。また、まだ膀胱粘膜は荒れているのでカフェインやアルコール、刺激物などは控えましょう」

 

【3】おなかに力を入れる動作を日常的にする(便秘ぎみ、重い荷物を持つなど)

 

もう1つの代表的尿トラブル、尿モレ。冬は急に尿意を覚え、我慢できなくなる「過活動膀胱」に悩む人が多い。

 

「冷えによる刺激で膀胱に異常収縮が起き、突然、強烈な尿意に襲われます。その結果頻尿となり、我慢できずにモレてしまう人も。脳血管生涯などの神経の病気とともに、妊娠・出産時に骨盤底筋やその付近のじん帯が損傷を受けたことも原因の1つです」

 

骨盤底筋とは、体幹部の最下部にあり、膀胱や子宮をはじめ内臓全体を支えるインナーマッスルのこと。妊娠中に負担がかかり、出産により膣が大きくのびて骨盤底筋がダメージを受けると膀胱の機能にも影響を及ぼしてしまう。

 

「おなかに圧力がかかると、骨盤底筋に負担がかかります。日ごろから床の荷物を持つなどおなかに力を入れる動作をするときは、骨盤底筋をぎゅっと締める意識を。そり腰や猫背も骨盤底筋に負担をかけます。しかし、トイレでいきむときは逆に体を前に傾けたほうが、骨盤底筋にかかる圧力を逃がすことができます」

 

さらに、冬場は飲水を1リットル程度に抑え、膀胱炎と同様に排尿回数が1日3〜7回になるよう尿意コントロールの訓練を。