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「女性は老眼ということを認めるのに抵抗があるせいか、かなり進行してから老眼鏡をかけ始める人が多い。そうすると、度の強い老眼のレンズに慣れるまでに時間がかかり、頭痛や吐き気に悩まされたり、それが引き金になって、更年期がひどくなったりする方も少なくありません」

 

こう警鐘を鳴らすのは、彩の国東大宮メディカルセンター眼科部長の平松類先生。老眼は、文字どおり、40歳を過ぎるころ始まる目の老化現象のこと。しかし最近は、スマホやパソコンによる目の酷使で、30代でも老眼になる人が増えている。また、老眼だと思って放置していると、加齢に伴う怖い病気だった、ということもあるというから早めの対策が必要だ。

 

目の老化を防ぐには生活習慣の改善が欠かせない。そこで、平松先生が老眼の進行を防ぐための生活習慣を教えてくれた。

 

【1】ほうれん草を1日2株、食べよう

 

「抗酸化物質・ルテインには目の老化を防止する効果が。天然のサングラスとも呼ばれていて、紫外線やブルーライトからも目を守ってくれます」(平松先生・以下同)

 

食べ物のなかで、ルテインがもっとも多く含まれているのがほうれん草だ。

 

「1日2株で、一日に必要な量(約6〜10ミリグラム)が摂取できます。吸収力を高めるごま油とあえてナムルにするのが、おすすめです」

 

【2】就寝中の光の量はできるだけ少なく

 

質のよい睡眠も、目の老化防止に欠かせない。

 

「寝ているときに光の量が多いと、交感神経が乱れて、血管が収縮、血流が悪化し、老化が促されてしまいます。就寝中はできるだけ光の量を少なくしてください。明かりが少ないと眠れない方は、足元だけ照らすダウンライトにして」

 

【3】スマホ・パソコンをナイトモードに設定

 

「電子機器やLEDライトなどから発せられるブルーライトを夜間に浴びると、睡眠を誘発するメラトニンというホルモンの分泌が妨げられてしまいます」

 

これを避けるためには、スマホやパソコンの画面設定にある「ナイトモード」の活用を。午後6時〜朝7時くらいまでと設定しておくと、自動的にブルーライトをカットした優しい色の画面に切り替えてくれる。

 

また、老眼予防に効果的なのが、目の血行を促進し、目の油を分泌させる「マイボーム腺」を刺激する次の3つのマッサージだ。

 

■まぶたを上下に優しくさする

 

両手の3本の指(人さし指、中指、薬指)を上下のまぶたに走るマイボーム腺に沿わせて上から下、下から上に向かって軽くマッサージ。まぶたの油を押し出すようにやさしくさする。眼球を圧迫しないように注意。上下各10回。

 

■目頭から目尻に向かってさする

 

目の周りの骨に沿って、目頭から目尻まで軽くマッサージ。老廃物を流すイメージで、両手の中指でやさしくさする。眼球を圧迫しないように注意。上下各10回。

 

■上下のまぶたを軽くつまむ

 

血流がよくなったところで、仕上げにまぶたを親指と人さし指でやさしくつまむ。マイボーム腺に沿ってまぶたをつまむと油がスムーズに分泌するのを助ける。眼球を圧迫しないよう注意。上下各5回。

 

「上下のまぶたの生え際には、良質な涙をつくるために油を分泌するマイボーム腺があります。特に、アイラインやアイシャドーを生え際まで塗ると、マイボーム腺が塞がれて、油が分泌されにくくなります。その結果、血行不良やドライアイになり、目の老化や疾患を引き起こす一因となるのです。アイラインは生え際のギリギリまでしないこと。マツエクなども、できれば避けたいところです」

 

3つのマッサージは1日1セット行うのがおすすめだ。瞳の輝きは健康の証し。実践して、目の健康を取り戻そう!

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