「病気の原因は“遺伝”が4分の1、“環境因子”が4分の3といわれます。これを白髪にも当てはめれば、たとえ遺伝的に白髪になりやすい人でも、頭皮の環境をきちんと整えることで、75%はクリアできるはず。決して諦める必要はありません」
そう語るのは、「松倉クリニック」の育毛外来で、多くの悩める女性を診察している医師の田路めぐみ先生(46)。田路先生は、「白髪はマッサージで改善することができます。原因となる血行不良やストレスを解消することで、新しく黒髪が生えてくる例はたくさんある」と言う。自身も若いころから白髪の多さや薄毛に悩んだことで、マッサージの重要性を実感した。
「髪の毛を作るために、細胞は血管から、たくさんの栄養とエネルギーを得る必要があります。でも頭は毛細血管の末端。細い首から、耳の前後と眉の付け根を通り、頭頂部に向かって細く伸びていく血管が、少しでもどこかで滞ると、栄養が届きにくくなり、細胞の活動が衰え、白髪になりやすくなる。とくに顔まわりの生え際や、髪の分け目などに白髪が目立ちやすいのも、冷え勝ちで血流が滞りやすいことが原因といえるでしょう」(田路先生)
そこで、もっとも効果的に白髪が減らせるマッサージ法を、アンチエイジングデザイナーで、美容サロン「スタイルM」代表の村木宏衣さん(48)に教えてもらった。村木さんといえば、顔の筋肉に沿ってマッサージするだけで、まるで整形したかのように小顔にしてしまう“ゴッドハンド”の持ち主。毎日5分の「もんで黒々! マッサージ術」。今から始めれば、春には白髪が少なくなっているはず!
【1】
まず耳からマッサージ。つまんで軽く引っ張りながら、しっかりともみほぐし、さらに引っ張ったまま深呼吸を3回繰り返す。最初にすることで頭皮の緊張をとり、血流がよくなる。
【2】
次に、おでこ全体をほぐす。軽く握りこぶしをつくり、平らな面を眉頭の上に小指がくる位置に押し当てる。眉毛を持ち上げる気持ちで、力を入れながらくるくると5回ほど小さく円を描くように、こめかみまでゆっくりマッサージを。
【3】
頭頂部に指を広げて手を置き、まっすぐに力を入れて、しっかりと全体をもみほぐす。指を小刻みに動かしながら、頭皮を骨からひきはがすイメージで! 頭頂部は頭全体の筋肉とつながっているので、念入りに。
【4】
側頭部は、握りこぶしの平らな部分を押し当てながら、こめかみから後頭部に向かって、1カ所につき5回ほど、小さく外回りに円を描くようにほぐす。老廃物がたまりがちな場所なので、最低でも2セットは繰り返そう。姿勢を正して正面を向き、口を半開きにして、自然な呼吸で行うのが大事。
【5】
首と頭の間あたりから背中に伸びる僧帽筋もマッサージを。握りこぶしの平らな部分を押し当てながら、上から下にジグザグに動かして、襟足近くまでまんべんなくほぐす。しっかりと圧をかけて、骨を感じながら動かして。
【6】
頭皮をほぐした後は、リンパの通り道を使って老廃物をしっかり流すのがポイント。手ぐしにして、頭頂部から耳の後ろを通って鎖骨まで、すっきりするまで繰り返して流す。
「最初は顔のリフトアップを目的に、顔と頭の皮膚がつながっていることを踏まえて、頭皮マッサージをメニューに加えました。そして、お客さまに施術しているうちに、髪にツヤが出たり、白髪が減ったりする効果があることがわかったのです」(村木さん)
頭皮マッサージは1日1回が基本。お風呂でシャンプーのついでにやるなど、習慣つけてしまうのがオススメだ。