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冬から春への季節の変わり目。体の不調を感じたときは、「薬」の前に「野菜」を試してみませんか? ここでは、近年の研究成果から明らかになった、野菜が持つ薬事効果を紹介。副作用なし、おいしく安全な“新しい処方箋”をお届けします!

 

「近年、食べ物に含まれる各種成分が人にどのような影響を及ぼすのか、最先端の科学技術を用いた研究が著しく進んでいます。これまでは“民間伝承”と思われてきた野菜が持つ薬事効果がつぎつぎに立証されているんです」

 

こう話すのは、薬剤師で薬学博士の田村哲彦先生。たとえば刺身のツマとして使われる、しそ。古くから生魚を食す際に殺菌効果があるといわれてきたが、成分のペリルアルデヒドに抗菌・防腐作用があることが実証されたばかりか、せきを鎮める効果も動物実験によって明らかに。

 

「食べ物に含まれる薬効成分を“機能性成分”と呼びます。今回はその成分が多い野菜に注目。現在、科学実験で効果が実証されているものを紹介」(田村先生・以下同)

 

■女性の病気を改善させる可能性がある野菜


【冷え性】しょうが

成分のジンゲロンが血液の循環をよくし、内臓の働きを活発にすることで冷え性を予防。

 

【月経不順】ごま

成分の不飽和脂肪酸やビタミンなどが生理が遅れ気味、経血量が少ないなどの症状を改善。

 

【月経痛】にら

男女の生殖器の働きを活発にする成分を含み、子宮のうっ血を解消し月経痛を軽くする。

 

【不妊症】よもぎ

中国では「妊娠を促す」薬草として有名。血液の循環を促し子宮そのものの働きをよくする。

 

【更年期障害】ほうれん草

成分のβ-カロテンやルテインが更年期特有の動悸やのぼせ、イライラといった症状を緩和。

 

田村先生は40年前から、こうした食べ物の薬事効果に注目。西洋医学と東洋医学の両方を学び、病気の予防や治療に食べ物をうまく取り入れる健康法「食治」を研究してきた。

 

紹介した野菜は最近ではほぼ一年中、手に入るものばかりなので、常に欠かさず食べることが可能だが、田村先生は、「ただ野菜に含まれる機能性成分を効果的に取るには、選び方にコツがあります」と話す。そこで田村先生に選び方のコツを教えてもらった。

 

(1)色の濃いものを選ぶ

 

「機能性成分は野菜の色素成分に含まれているものも多い。色が濃いものはそれだけその成分を多く含んでいる証拠」

 

(2)切り口が黒ずんでいないものを選ぶ

 

「野菜の鮮度も含有量に影響します。なるべく新鮮な野菜がおすすめです」

 

(3)水耕栽培より土で育ったものを選ぶ

 

「病気に効く成分は、大地の生命力を野菜を通していただくものと思います。しっかり大地に根を張って育った野菜のほうが栄養素も豊富です」

 

野菜が持つ数々の薬効。薬嫌いの人だけでなく、この自然の恵みをぜひあなたも試していただきたい。

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