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乳がんのため、左乳房全摘とリンパ節切除の手術を受けたことを4月13日、自身のブログで公表した、元SKE48でタレントの矢方美紀(25)。その後のインタビューでは「がんに対応する保険に入っていた」ことで、高額な治療費を支払うときに大いに役立ったことを明かしている。

 

日本人の2人に1人ががんになるといわれる時代。やっぱり「がん保険」は必要なの?

 

「『がん保険』に入ったほうがいいかどうかは、その人の経済的リスクで大きく変わってきます」

 

こう話すのは「生活設計塾クルー」取締役でファイナンシャルプランナーの深田晶恵さん(51)。

 

「たとえば、本人か配偶者が正社員の場合、経済的リスクが低く『がん保険』の必要度はさほど高くはありません。正社員だと、有給もあり雇用が安定しています。また、加入の健保組合によっては上乗せの給付で、自己負担の上限が2万~4万円の場合も。また病気に備える貯蓄が200万円以上ある人も、経済的リスクは低いといえるでしょう」

 

一方で経済的リスクが高いのは? 深田さんが続ける。

 

「契約社員や派遣社員、自営業などで入院すると収入が減ってしまう人、シングルマザーなどほかに収入減がない人、貯蓄が100万円未満の人です。がん治療がはじまると、一時的に収入が途絶えることも。そのときに、まとまったお金を受け取れる〈診断給付金〉が役立ちます」

 

さらに自分ががんになるかどうかのリスクを知っておくことも大切だ。ハーバード大学の公衆衛生の元研究員でボストン在住の内科医・大西睦子さんが語る。

 

「遺伝が関係するがんは、がん全体の5~10%。それ以外の90~95%は、老化や生活習慣、環境因子が要因。たとえば喫煙は、肺だけでなく、食道がんや胃がんなどのリスクに。過度な飲酒や肥満も要因のひとつです」

 

ちなみに「国立がん研究センター」の調査では、がんのリスクを低くするためには〈禁煙する〉〈食生活を見直す〉〈適正体重を維持する〉〈身体を動かす〉〈節酒する〉の5つをすること。これらを実践することで、女性の場合、最大4割近くもがんのリスクを下げるという報告もある。

 

つぎの「がん保険」に加入すべき人かわかるチェックリストで確認を。

 

【医学的リスク】
□喫煙や不規則な生活など、がん罹患リスクの高い習慣を持っている
□肥満で、運動する習慣もない
□生活習慣を同じくする親族にがんの罹患者が多い

 

【経済的リスク】
□派遣社員や自営業など、入院すると収入が絶えたり、減ってしまう可能性がある
□独身だったり、配偶者が働いていないなど、家計を自分が支えている
□貯蓄額が100万円未満である

 

「医学的リスク」が多い人ほど、がんを罹患するリスクが高く、「経済的リスク」が多い人ほど、がん罹患時のリスクが高い。リスク要因を取り除くのがいちばんだが、それが困難な場合、「がん保険」加入を検討しよう。

 

がんと生きる時代--命と財産を自衛する、たしかな目が求められているようだ。

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