「暑い日から一転、涼しい日が来ると、過ごしやすくなりますが、同時にお腹の不調を訴える患者さんが急に増えてきます。意外なのは、下痢よりも便秘の症状を訴える人のほうが多いことです」

 

そう語るのは、『腸はぜったい冷やすな!』(光文社知恵の森文庫)の著者で、便秘外来がある松生クリニック(東京都立川市)の松生恒夫院長だ。季節の変わり目は、なにかと体調トラブルに悩まされがち。そのなかでも便秘はつらい症状の1つだ。

 

「残暑が厳しいなか、エアコンの効いた涼しい部屋から外に出たときや、暑い日の翌日に急に寒くなるなど、10度以上の気温差が生じる環境にいると、腹部膨満感など腸のトラブルが出やすくなります。寒暖差の激しくなるこれからの季節は特に注意が必要なのです」(松生院長・以下同)

 

気温とともに体の表面温度が下がると、交感神経が緊張して腸の動きが低下する。また、血行が悪くなると腸に流れる血流が滞るため、腸管運動が抑制されるという。

 

さらに、水分をあまり取らなくなり、室内でゴロゴロしてばかりいるなど、いくつもの因子が重なることで便秘になる。

 

特に、更年期以降の女性はホルモンバランスの乱れや加齢に伴う筋力の衰えにより、基礎代謝が落ちる。冷え性になると便秘になりやすいというので気をつけたい。

 

「毎日お通じがあったとしても残便感があり『スッキリしない』『ガスでお腹が張って苦しい』という症状を訴える人が多く、それらは便秘の一歩手前“停滞腸”の状態です。停滞腸を放っておくと便の腐敗が進み、善玉菌が少なくなり反対に悪玉菌が増えてきます。悪玉菌が血液の流れに乗って全身に行き渡ると、便秘のほかにも冷え性や肥満、肌荒れ、体臭がきつくなるなど、体にさまざまな悪影響を及ぼします。また便秘がさらに慢性化してきますと潰瘍性大腸炎など腸の病気にも発展します。便秘は日本人に増えている大腸がんの原因の1つともいわれているので、停滞腸の段階でしっかりと治しておきましょう」

 

停滞腸を引き起こしやすい生活習慣は次のチェックリストのとおり。

 

【「停滞腸」チェックリスト 】

 

□野菜はあまり食べない
□果物はあまり食べない
□外食が多い
□水分の摂取量が少なめ
□1日3食食べないことがよくある
□食後、下腹部がポッコリと出やすい
□むくみやすい
□冷え性である
□真冬になるとお腹の症状が悪化する
□それほど飲み食いしているわけではないのになぜか痩せない
□ダイエットをしているのに、下腹だけポッコリと出ている
□なんとなく、いつもお腹がスッキリしないし、体も重く感じる
□便が出た後も爽快感がない
□あまり体を動かさない、歩かない
□最近ストレスを感じることが多い

 

5項目当てはまる人は軽度。6〜8項目であれば中程度。9項目以上は重度の停滞腸である可能性が。5項目以上当てはまるようであれば、症状がひどくなる前に、腸内環境の改善に取り組みたい。