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「肥満傾向の人は変形性ひざ関節症になりやすい典型的なタイプです。体重がひざに負担をかけることはもちろん、体内の肥満細胞から『炎症サイトカイン』という物質が出て、筋肉や靱帯で軽い炎症を起こすことが知られています。これがひざの痛みが長引くことに関係しているのです」

 

こう指摘するのは、東京大学医学部附属病院の粕谷大智先生。昨秋、NHKの特番『東洋医学 ホントのチカラ』に出演し、予約が殺到している“東大病院の鍼灸名医”だ。そんな粕谷先生に「ひざ痛になりやすい人のタイプ」を挙げてもらった。

 

「次に、運動不足の人です。体を動かさない人は靱帯や筋肉がこわばっていて、ひざ周辺の血流も悪くなっています。筋力そのものも低下して、よりひざに負担がかかってしまっていますね」

 

また日本人の約9割がO脚で、ひざ関節の内側に特に負担がかかりやすい傾向にあるという。

 

「中高年の女性の場合は、もともと筋力が弱いことや、加齢による女性ホルモンの減少などが影響し、ひざの軟骨がすり減りやすくなっていますので、常日ごろから、ひざの状態を気にかけるようにしましょう」

 

さらに、遺伝や過去の経験がひざ痛を引き起こすことも。

 

「家族に変形性ひざ関節症の人がいると、体質が遺伝する場合があることが知られています。また日常的に重い荷物を扱うことの多い人の場合、腰だけでなく、ひざへも圧力がかかります。できるだけ左右均等に持つ意識が大切です。過去にスポーツで半月板や靱帯を損傷した人も、加齢とともにひざ関節の変形が起きやすくなるので注意してください」

 

粕谷先生によると、ときどき靴の底の状態をチェックすることもポイントだとか。

 

「靴の外側がすり減っていると、歩行中、足の小指側に体重が乗っている証拠。その場合は、O脚になりやすく、ひざ痛発生のきっかけになるのです」

 

ひざ痛で悩みたくなかったら、今のうちから生活習慣を見直してみてはいかが?

 

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