瀬戸内寂聴語る“元気の源”「年がいないことすれば若返る」

「令和」の時代が幕を開けようとしている。しかし、どんなに医療が進歩しても、私たちが抱える“健康”への悩みは、消えるものではない。何歳になっても元気でいたい、大病にはかかりたくない。そのためには、何をどうすべきなのか。

 

その問いに答えてくれたのは、大正時代に生まれ、昭和、平成そしていままさに4つ目の元号を迎えようとしている人生の“大先輩”たち。彼女たちは、驚異的なバイタリティで、いまも表舞台に立ち続けている存在だ。

 

若く元気でいるために大切なのは、「もう80歳だわ」「年寄りになった」と思わないこと――。そう瀬戸内寂聴さん(96)は話す。

 

「『年を取った』と、1つため息をつくたびに、よけいに1つ年を取ると思ってください。きっと周囲の人は“もう年なんだから、転ばないようにして”、“風邪を引いて肺炎になったら大変だから、外出は控えてね”などと心配してくれると思いますが、年寄りはいたわられればいたわられるほど、早く弱るんです。転んでもかまいませんから、町に散歩に出たりしましょう。そして、人と話をしてください。そうすれば令和も元気にいろいろなことに挑戦できると思います」

 

若いときと比べて、ずいぶん変わってしまった顔を見て、がっかりしてしまうこともあるはずだ。しかし、「しっかりと自分の顔を見ることも大事」と説く。

 

「家になるべくたくさんの鏡を掛けたり置いたりして、よく見るようにしてください。“いやだわ”と思ったら、お化粧をしてみることです。日本には、安くていい化粧品がいっぱいあります。顔色がよく見えるものも、シワが隠れるものもある。私もやっていますが、つけまつげもいいものです。自分で化粧したり、あるいはしてもらったりすることで、見かけがきれいになるだけではなく、心も潤いますからね」

 

寂聴さんにとって大切なのは「自分にとって気持ちがいいと思うこと」をすることなのだ。

 

「年がいもないことをすればするほど、人は気持ちが若々しくなるのです。私がこの年でも小説家として活動できているのは、あまり人の言うことを聞かず、“好きなこと”を続けてきたからでしょうか。食事にしても、自分の好きなものを、好きな量だけ食べることです。1日3食にこだわる必要もありませんし、好きでないものは無理して食べなくてもよいと思います」

 

■水は体の中の悪いものを洗い流します

 

子ども時代からお豆が好きだという寂聴さん。1日1食や2食しか食べられない日には、間食にナッツを食べているんだとか。

 

「お医者さんは『年を取ったら肉はいけない、ウナギはいけない』とか細かく注意してくれますけど、その人が好きなものというのは、それがその人の体に合っているのです」

 

健康のために「特に節制していることはない」と話す寂聴さん。唯一意識していることといえば、水をたくさん飲むことだという。

 

「ミネラルウオーターとか水道水とか、種類は気にしなくてよいと思いますが、私はいつもすぐ手が届くところに常温の水を用意しています。まず朝起きたらすぐにコップ1杯の水を飲む。食事をしたりコーヒーを飲んだりするとき、それに喉が渇いたな、と感じたらすぐに一口飲むようにしています。お酒やウイスキーを飲むときも水を飲みながら(笑)。水を飲むと、体の中の悪いものを洗い流してくれて、癒してくれるような気持ちになります」

 

体の中を清らかにしたぶんだけ、また好きなものが食べられる、飲める――。寂聴さんは、自分の“思うがままに”生きることを大事にしていた。

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