画像を見る

茨城県水戸市にある「オリバー・ボディビル&フィットネスクラブ」。本格的なマシンが並ぶなか、黙々とトレーニングに励むのは女子ベンチプレス世界最高齢選手である奥村正子さん(89)。

 

背筋も腰もまっすぐに伸びた奥村さんは先日、千葉県成田市で開催された世界大会(70歳以上の部・47kg級)で42.5kgのバーベルを上げ、見事5回目のゴールドメダルを獲得。

 

この日、午前10時半から2時間かけたハードなトレーニングの後、爽やかな笑顔でインタビューに答えてくれた。

 

「今日もまた課題ができたわ! 家に帰って反省よ」

 

そう言って汗をぬぐう奥村さんがベンチプレスを始めたのは72歳のころ。

 

「若いころから選手だった人より、遅く始めた人のほうがむちゃもしないから長続きするのよ。よく飽きもせず17年も続いたと思うわ」

 

最近はそのパワーの秘訣を問われることが多いが、著書『すごい90歳』(ダイヤモンド社)で詳しくふれられているとおり、何よりも「日々の食事が体をつくってくれる」とのこと。そして、そんな奥村さんの健康の秘訣は、医食同源。外食は一切せず、弁当や総菜類も買ったことがないのだとか。

 

「一度の転倒で、骨折して入院となり、そのまま老人ホームへ入って出てこられない友人もいます。私のように日ごろから食生活に気を使って太ももを鍛えておけば、万が一転倒しても骨折しないから、とアドバイスしているの」

 

そこで今回、「転ばない体」をつくるための奥村さんの食習慣と、大腿四頭筋を鍛えるスクワットを紹介。

 

■起きたらまずは「梅干しとお茶」!

 

「梅干しには体をさびさせない抗酸化力の強いクエン酸、お茶にはさまざまな健康効果のあるカテキンが多く含まれているので、この組み合わせが1日の原動力。梅干しは塩分3%のもの、高血圧を気にして塩分は極力とらないようにしています」(奥村さん・以下同)

 

■食事は「朝と昼」の2食!

 

「夕食は食べず、朝と遅めの昼食の1日2食です。常に満腹にはせず、腹八分目を心がけ、半日胃腸を休めることで翌朝しっかり食べることができます」

 

■朝食は「ガッツリお肉」!

 

「常陸牛を100~130グラム。調子のよい朝は150グラムにすることも。味付けは粗びきこしょうだけ」

 

ご飯は週に1回3合を炊き、70グラムずつ小分けに冷凍して、チンしていただく。あとはにんじんなどの温野菜をたっぷり。

 

「生野菜は取りません。塩分が気になるので味噌汁は作らないの」

 

■『にんにく入りブルーベリー酢』で疲労回復!

 

「疲れたなと思うときは、にんにくをブルーベリー酢に漬けたジュースをいただきます」

 

これはにんにく・ブルーベリー(各200グラム)、穀物酢(400ミリリットル)、はちみつ(適宜)をボトルに入れ、半年漬けたもの。

 

「水で2倍に薄めて、トレーニングを頑張りすぎた日に飲みます」

 

■寝る前は「温めた牛乳」を1杯!

 

「昨夜は500ミリリットルを温めて飲みました。就寝中に体の修復が行われるといいますし、寝る前に飲むのは理にかなっていると思います」

 

■奥村さん流「椅子スクワット」

 

椅子に座った状態で腕を両肩に交差させ、足を肩幅より少し広めに開き「1、2、3」で立ち上がる。前を見たまま、「4、5、6、」で椅子に座る。これを15回繰り返し、3セット。これを1日3回行うのが理想的。普通のスクワットより簡単だが、続けることで大腿四頭筋と背筋が鍛えられ、膝の痛みもやわらぎ立ったりしゃがんだりも楽になる。

 

あなたも奥村さんの生活を参考に、「転ばない体」を手に入れよう。

【関連画像】

関連カテゴリー: