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「しょうが、にんにく、とうがらし、かつおぶしの4つの食材をそろえて混ぜるだけ。この『長生きふりかけ』を毎日食べれば、肥満、脳卒中、がん、認知症など多くの不調や病気を予防できます」

 

そう話すのは、医学博士でしょうが研究の第一人者としても知られる平柳要先生。年間300以上の国内外の論文を読み、食材の健康効果について研究している。しょうがとにんにくは体にいい食材として広く世に知られているが、近年、各国の研究により、新たな健康効果が次々と明らかになっているという。

 

「たとえば、しょうがには『ジンゲロール』という成分が含まれますが、’17年、韓国の慶北大学で行われた実験で、この成分には血液の中で血小板による血のかたまりをできにくくする効果があるとわかりました。簡単にいえば、血液サラサラ効果があるということです。じつはにんにくにも同じ効果があり、長生きふりかけならその恩恵を二重に享受できます。血液がサラサラであるほど動脈硬化を遠ざけることができるので、心筋梗塞や脳卒中などの重大な病気を予防できます」

 

このように、それぞれの食材が持つ健康効果が重なり、増幅するのが、長生きふりかけの最大のメリットだ。なかでも平柳先生が太鼓判を押すのは、肥満の改善、つまりダイエットに効くトリプル効果。

 

「しょうが、にんにく、とうがらしの3つの食材がタッグを組んで、脂肪を減らしてくれるんです。実際に71歳の女性に長生きふりかけを食べ続けてもらったところ、4週間で体重マイナス2.8キロという結果が出ました。食事制限やダイエットのための特別な運動はしていません。食事にプラスするだけの長生きふりかけは、夢のダイエット法ともいえるでしょう」

 

では、食材ごとにその効果を検証していこう。まず、しょうがに含まれる「ショウガオール」は体脂肪の燃焼を促し、「ジンゲロール」は腸での糖質吸収を抑える効果があるとわかっている。

 

イランのシーラーズ医科大学による研究では、しょうがをとったグループは、とっていないグループより体重を減らすとの結果が出ており、効果のほどは医学的にもお墨つき。

 

また、にんにくに含まれる「アリシン」「スルフィド類」という成分にも脂肪を燃やす効果があり、裏付ける研究結果も上がっている。

 

「とうがらしに含まれる『カプサイシン』も脂肪を蓄積しにくくし、脂肪燃焼を促進させることで有名。しかも、ウオーキングなどの有酸素運動をしなくても、体脂肪を燃やしてくれる素晴らしい効果があります」

 

長生きふりかけの効果は、ダイエットだけにとどまらず、高血圧、糖尿病、脂質異常などメタボリックシンドロームにまつわるすべての疾患の予防に活躍する。

 

「とくに脂質異常は女性に多く、注意したい疾患。血液中に余分な脂質が増え、血液がドロドロになり、血管壁が隆起して、深刻化すると動脈硬化を招きます。脂質異常の判断基準となるのは、悪玉コレステロールと善玉コレステロール、中性脂肪の3つの数値。しょうがとにんにくには、中性脂肪と悪玉コレステロール値を下げる作用があり、にんにくに限っては善玉コレステロールを上げる作用も。長生きふりかけには、3つの数値すべてを改善する効果があるんです」

 

さらに、多くの人の不安の種であるがんや認知症も予防してくれるというから心強い。

 

「しょうがに含まれるジンゲロールやショウガオールが、がん細胞を発生しやすくする慢性炎症を防ぎ、がん細胞がみずから死ぬように導いて増殖を防いでくれます。にんにくはアメリカの国立がん研究所がまとめた『がん予防に効果のある植物性食品』のなかで、トップに名前が挙がっており、その効果は世界中で認められています。認知症は、脳の神経細胞にアミロイドβやタウタンパク質というゴミ成分がたまるのが原因と考えられていますが、しょうがに含まれるショウガオールととうがらしに含まれるカプサイシンは、これらのゴミ成分の蓄積を防いでくれるんです」

 

長生きふりかけのメリットで見逃せないのは、その多岐にわたる健康効果に加えて、用意する手間がほとんどかからないということ。

 

次の「長生きふりかけの作り方」でわかるように、にんにくやしょうがもパウダー状に加工された調味料を使うので、みじん切りにする手間もなく、洗い物も出ないから超らくちん! どの食材もスーパーで簡単に手に入れることができる。一度作れば、常温で1カ月間、保存可能だ。

 

■長生きふりかけの作り方

 

【材料】

しょうがパウダー…  14g
とうがらしパウダー… 7g(または赤パプリカパウダー…28g)
にんにくパウダー…  14g
かつおぶし…     70g

 

【作り方】

 

【1】ファスナーつき保存袋の口を大きく開き、材料をすべて入れる。最初に分量を量らない場合は、保存袋の底面をできるだけはかりにつけてのせる。袋の中に材料を入れ、量る(材料を一つ量るごとに表示を0にすると間違えにくい)。

 

【2】保存袋の中の空気を抜きながら、口をしっかり閉じる。両方の手のひらで袋を挟んで、こするようにもんで混ぜる。

 

「かつおぶしには旨味成分のイノシン酸が含まれ、ふりかけに必要なうま味のもととなります。大切なのは、毎日続けること。おいしくなければ、いくら健康によくても続けられませんから」

 

一度に食べる量の目安は、大さじ1杯、1日3回がベスト。ふりかけと言っても、必ずしもご飯にかける必要はなく、青菜のおひたしやサラダのトッピングとして使うほか、ハンバーグのタネに混ぜたりと加熱調理に使ってもOK。

 

 

「食事の最初にとると、血糖値の急上昇を抑える効果もあります。血糖値が高い人は、スープなどの汁物に入れて、最初に飲むようにするといいでしょう」

 

長生きふりかけで、スリムな体と健康の両方を手に入れよう!

 

「女性自身」2020年1月21日号 掲載

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