鍼灸師が提言、ひざ痛の人のための「足の甲のばし」
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ひざ痛をはじめとして、腰痛や外反母趾などの不調の原因は“浮き指”にあると世界的メディカルトレーナーは語る。足の指を鍛えて、10本の足で地面をしっかりつかめるようになると、不調も改善−−!

 

「これまでのべ12万人以上の足をケアしてきましたが、ひざや腰に痛みを抱える人のほとんどが、足の指がしっかり地面についていない“浮き指”状態なんです。これを改善する切り札が『足の甲のばし』なんですよ」

 

こう話すのは『1日1分で痛みが消える! 足の甲のばし』(マキノ出版)の著者・伊藤勇矢先生(いとう鍼灸整体院院長)。

 

えっ、足の甲をのばすだけで、ひざ痛が軽減するんですか? 近年、長時間歩くと、ひざが痛む症状を抱えている本誌記者はさっそく、伊藤先生にその極意を教わることにした。

 

「足の指が浮いていると、立ったり歩いたりするときに、自然と体のバランスに崩れが生じ、それを補うためにひざや腰に無理な負担がかかり、そのうち、悲鳴を上げる。それがひざ痛や腰痛。これを緩和するには、大前提として浮き指を解消することが必須なんです」

 

世界最高峰のトレイルランニング大会に日本人初メディカルトレーナーとして参加するなど、世界的に活躍する伊藤先生だが、じつは高校時代に柔道でひざじん帯を断裂。このとき、自分の10本の指がしっかり地面についていないことがケガにつながったと実感し、それ以来、筋力トレーニングや足ツボなど、さまざまな方法で、足の指を鍛えて、浮き指対策を研究してきた。

 

「いいなと思うことはすべてやりましたが、すべての患者さんが簡単にできて効果が出る方法がなかなか見つかりませんでした」

 

そんなとき、裸足でデスクワークをしていた伊藤先生は、何げなく、足の指の表を床に押し付ける動作をしてみた。

 

「本当に偶然でした。くいくいっと床に指を押し付けると、指の筋肉だけでなく、足の甲や脛の筋肉までがのびて、気持ちいい。そこで研究を始め、本格的に『足の甲のばし』として完成させました」

 

「足の甲のばし」のやり方は次の通りだ。

 

【1】椅子に浅く座り、左足の指を床に立てて着ける。左足の甲を前方に向けて10秒間、ゆっくり押し出す。

〈ポイント〉5本の指と足の甲全体、脛の前側がのびていることを感じればOK。

 

【2】ひざを少し外側に開き、左足の甲を小指側に倒すように10秒間、ゆっくり押し出す。

〈ポイント〉薬指、小指、足の甲の外側、脛の外側がのびていることを感じればOK。

 

【1】〜【2】を右足でも行う。1日何回やってもいい。足指を強く床に押し付けないこと。

 

「やり方は本当に簡単です。椅子に浅く腰かけて、片方の足のつま先を床につけたら、くいっと5本の指を10秒間、甲を前方に向けてゆっくり押し出す。最初は少し曲げても痛い人もいます。無理をせず、できる範囲でかまいません」

 

その場で記者もやってみたが、指の第一関節が少し曲がるだけで痛い。しかし、たしかに、足の甲だけでなく、脛の筋肉がのびて、じわ〜っと気持ちいいのは確かだ。

 

「でしょ? 毎日やっていると、徐々に深く曲がるようになります」

 

と、伊藤先生がやると、なんと第二関節までしっかり曲がって、床にぺったりつくではないか。

 

「やる場所は、最初は硬い床だと痛いので、カーペットの上がおすすめ。筋肉が柔らかくなるお風呂上がりにやってみてください」

 

つぎに、小指側に脚を倒すようにして、10秒間。

 

「正面向きに指を曲げると、どうしても小指だけが曲がりません。その小指を曲げるためです」

 

片方の足を正面、小指側それぞれ10秒間1セットとして両足とも2〜3回程度を毎日つづけるのが原則だ。

 

「慣れてきたら、両足同時にできるようになるので、1日1分間で終わりますよ」

 

この「足の甲のばし」を実践すること1週間。たしかに、記者の持病のひざ痛は日常生活で気にならない程度まで改善した。

 

「人生100年時代。人は足から弱ります。いつまでも自分の足で歩けるように、この『足の甲のばし』を活用してほしいですね」

 

「女性自身」2020年11月24日号 掲載

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